2009年02月28日

亀井静香の闘い

今年の衆議院選挙で、民主党は単独過半数を取るだろう。

ただ参議院では単独過半数がないから、
まず間違いなく社民党や国民新党と連立することになる。

しかしもし、2010年の参議院選挙で、
民主党が単独過半数を取ってしまえば、
衆参両方とも単独を抑えることができ、
社民党や国民新党はもはや不要になってしまう。

そうなればなったでやむを得ないだろう。

社民党は政権の外から、
政府の失政があれば追及し、
社民主義、平和主義の政策を世に問うていけばいい。

ずっとそうしてきたではないか。


しかし、少なくとも今後しばらくは、
連立与党として社民党は政権に入る。

大臣のポストも得られることだろう。

そこで社民党らしい政策をいかに実現できるか、というのは、
民主党とどれだけタフ・ネゴシエーションをできるかにかかっている。

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世間では民主党政権が誕生する、誕生するといわれているし、
私も「民主党政権」という言葉を使ってしまうこともあるが、
実際には、誕生するのは民主党政権ではない。

民主・社民・国民新・日本の連立政権である。


それをあたかも自民党か民主党かの選択のように喧伝されるので、
社民党の活躍を願う私としては、腹が立っている。

しかしまあ、冷静に考えてみれば、
小党というのはいつしもそういう運命にあるのである。
ことあるごとに存在感を示していかなければ、
大政党の争いに埋没してしまうことは避けられないであろう。

さらに言えば、今後誕生する連立政権の中で、
小政党は、民主党の言いなりになってはいけない。

存在感を示し、時には強気に出、時には協力し、
たくみに民主党から譲歩を引き出し、
社民党が目指す政策を実現していってもらいたいと思う。

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その点でいえば、
社民党の福島みずほ党首は、やや物足りないように思う。

煮ても焼いても食えない政局のプロといえば、
やはり国民新党の亀井静香代表代行ということになるだろう。

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国民新が社民と急接近 民主とは統一会派解消へ
http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009022701000951.html

 国民新党が郵政民営化などの政策協議を通じ社民党と急接近している。一方民主党とは参院統一会派を解消すると27日、表明。次期衆院選後の民主党中心の連立政権樹立が現実味を帯びる中、今から存在感を強めようとする動きに、民主党は警戒感を強めている。

 社民党とは昨年末に正副幹事長の政策協議を定例化した。2月に、社民党が民主党と進めてきた労働者派遣法の抜本見直し協議に参加。来週には郵政民営化見直しに関し社民党と合意文書を交わす予定で、その後も安全保障などを含めた重要政策で両党の歩調を合わせ、民主党への“圧力”を強めていく構えだ。

 会派解消は衆院選の候補者調整難航が原因。国民新党が既に新人を公認内定した神奈川1区で、民主党が独自候補擁立を発表したため国民新党の亀井久興幹事長は「選挙協力できちんと対応いただけないなら判断せざるを得ない」と会派解消の方針を示した。

 こうした動きの背景には、与野党逆転した参院でも単独過半数には届かない民主党が、合わせて10議席を持つ社民、国民新両党の意向を重視せざるを得ない事情がある。

 これに対し民主党の岡田克也副代表は23日、今年の衆院選での政権奪取を前提に「来年の参院選で民主党が単独過半数を取れば、そこから本格的な民主党政治が始まる」と述べ、社民、国民新両党をけん制した。

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民主党と国民新党は、
麻生氏に問責決議を出すかどうかとか、
神奈川1区の野党側の公認を誰にするかとか、
そういうことでもめているのだが、

おそらく、国民新党は単にそれらの件でゴネているわけではなかろう。

小党が大政党に対して、
「何があってもついていきますよ」ではいいように使われて終わりだ。

国民新党は民主党に対して決して従順ではない、
場合によっては民主党に協力しないよ、というブラフをかけているのだ。

そうすれば民主党も国民新党に政策面など配慮せざるをえない。


今後何かがあるとき、国民新党は民主党に、
いわゆる瀬戸際外交というものを仕掛けてくることだろう。
自分と相手の関係を緊張させることで譲歩を引き出そうという奴である。

これは民主党と完全に切れてしまうほどやってはいけないのだが、
そのあたりは政局の手練手管ということになるだろう。


その点社民党は民主党とどうも歩調が合いすぎているので、
もっと声を上げるべきところはあげてもいいのではなかろうか。

そのあたり、福島みずほ氏は亀井静香氏などに比べ、
いい意味での汚さという点で少し物足りない。



一方岡田氏も、民主党の立場から国民新、社民をけん制している。
民主としても国民新、社民といま完全に切れてしまったら困るが、
かといって、あまり甘い顔を見せればつけこまれる。

一種のチキンレースである。

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国民新党はさらに、社民党に接近しているという。
政策面でも、人間関係の面でも意外に壁は少ない両党なので、
これは私としても予想していたことである。

国民新党など所詮は保守政党じゃないかという印象はあるものの、
庶民の暮らしを守る、新自由主義に反対するという点では、
社民党とも協力していけるだろうと思う。

安全保障の面でも歩調を合わせる方向になるとは、
さすがに予想外だが・・・



仮にだが、両党が統一会派など組めば、
衆議院で14議席、参議院で10議席になり、
かなりの存在感を持つ勢力となる。

民主党に対しての交渉力という点でも、
両党が結束した場合には飛躍的に向上する。


間もなく政権交代は成り、
政権交代の果実が舞い込んでくることになるだろうが、
それを、ひとり小沢にのみ食わせることも無かろう。


社民党、国民新党は民主党としたたかに渡り合い、
少なくとも民主に参院の単独過半数を取られるまでは、
政権交代の果実を分捕っていこうではないか。

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私は絶対的に、自民党の下野を願う。
いったんは彼らに冷や飯を食わせ、
霞ヶ関、土建業等々、利権関係をリセットしなければいけないし、

今の自民党は二世議員ばかりで政策能力も何もなく、
公明党・創価学会にほぼ100%もたれかかっている。
そのような政党を政権にとどめてはいけない。


しかし交渉のカードとして、
あくまでも対民主党の交渉のカードとしては、

社民党や国民新党が、自民党と協力して政権交代を妨害する
ということもありうるという、
「そういう素振り」を、裏でチラリと見せてもいいと思う。

「なんだかんだ言っても所詮民主党に付くしかないんだろ」
と見透かされては、小政党は侮られるのである。

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村山氏囲み「自社さ」同窓会
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009022701161

 社民党の村山富市元首相を囲む「自社さ政権」の同窓会が27日夜、都内の日本料理店で開かれ、村山政権で自治相を務めた野中広務氏や政権発足に尽力した自民党の森喜朗元首相、国民新党の亀井静香代表代行らが旧交を温めた。
 会合は亀井氏の呼び掛け。民主党の山下八洲夫参院議員や社民党の渕上貞雄副党首ら旧社会党出身者も駆け付け、連立政権樹立に至る苦労話などに花を咲かせたという。(了)
(2009/02/27-23:48)

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下衆の勘ぐりと言われてしまえばそこまでだが、
いま亀井静香氏がこんな同窓会を主催するのは、
まさに「そういう素振り」という風に見えなくもない。


数々の利権の噂、黒い噂がありながら決してシッポをつかませぬ亀井静香。

かつて小沢を相手に政局で渡り合い、
社会党と連立するというウルトラCで細川政権を潰した亀井静香。

煮ても焼いても食えない男である。

しかし権謀術数渦巻く永田町では、こういう男がかえって頼もしい。


社民党も、したたかに政局に臨んでもらいたい。

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2009年02月27日

遅いよ、優子ちゃん

暴論だといわれることは承知だが、
わが国が抱える問題というのは、
極端に言えばほとんどが経済の問題であると思う。
カネさえあればなあ、という話が多い。

たとえば教育論争も、
ゆとり教育か詰め込み教育かという話が盛り上がったりするが、
そんなことよりも教師をもっとたくさん雇えればなあ、
と私などは考えずにはいられないのである。


長期的にわが国の経済が困ってくるのは、
少子高齢化が進んでくるからである。

労働力不足もさりながら、社会保障費が財政を圧迫する。
日本にカネがないとなれば、医療費も出なければ防衛費も出ない。


短期的には最も大切なことは目下の生活苦をいかにして救うかであるが、
長期には、少子化対策が大事なのだ。

少子化対策が、最も本気でやらなければいけないことだろう。


しかしこれまで自民党政権は、
少子化対策は大事だ大事だといいながら思い切った政策をとってこなかった。

なぜだろう、と思っていたが、ようやく理由がわかった気がする。

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少子化対策PT:小渕担当相「ピンポイント支援ではダメ」認識改めた
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090226-00000011-maiall-pol

 少子化問題に取り組む「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム(PT)」(主宰・小渕優子少子化対策担当相)の第2回会合が24日、内閣府で開かれた。結婚や出産をためらう理由の一つには、就職難や自立した生活が送れない経済事情が関係しているのではないか、という仮説を検証した。

 国内・海外の若者のライフスタイルに詳しい宮本みち子放送大学教授と、青少年就労支援NPO「育て上げ」ネットの工藤啓理事長から、現状の課題と将来施策への提言をヒアリングした。

 宮本さんは、主に北欧の政策と比較したうえで4点を提言。(1)若年ワーキングプアの防止=いかなる雇用状態になっても最低限の生活は守られる所得水準や制度の構築(2)職業訓練を受ける権利の確立=失業者中心ではなく、就学と就職の間を取り持つような普遍的な施策(3)共働きが可能な環境条件の整備=だれもがたやすく妊娠・出産・育児を乗り切れるような施策や社会的認知(4)若者総合政策=ピンポイント支援ではなく、ライフステージの中で長く広く安定したサポート−−が必要だとした。

 工藤さんは、家庭環境や病気など複合的な事情がある若者や児童福祉法で保護されている年齢を超えた若者への支援が難しい▽若者を支援している者への支援も必要−−などの課題を挙げたうえで、人的・金銭的・制度的なサポートが必要だが、きめ細かな視点や見直しをいとわない思い切りのよさも不可欠だとした。

 小渕担当相は、(1)少子化対策はどちらかというと妊娠・出産が中心だったがそうでもないのではないか(2)若者支援は点ではなくライフステージのうえでとらえていく必要があるのではないか(3)若者支援は若者対象だけでなく支援者も対象に含めた包括的な支援が必要なのではないか(4)若者の実態を正確にとらえる必要があるのではないか−−と述べ、「これまでの認識を改めないといけないことがわかった」と率直に語った。

 次回第3回会合は3月9日、「不妊治療対策」をテーマに行われる。【浜田和子】

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宮本氏、工藤氏、小渕氏はそれぞれ素晴らしいことを言っているが、
なんら目新しいことではない。

私に言わせれば小渕氏の認識は遅れている。
担当大臣がこの程度のことに今ごろ気づき、
「認識を改めなければならない」などと述べるようであれば、
なるほど、今までの政権が何もできてこなかったことももっともである。

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生活に困難があったり、先行きに不安があったりする人が多いと、
なかなか結婚するということは考えにくいものだし、
ましてや子供を作るというところに踏み出すのは難しい。

だからワーキングプア対策、雇用政策、社会保障の整備、
子供を持ちながら就労することが可能な労働環境の整備など、
きめ細やかであり、なおかつ思い切った政策が必要になる。

小渕氏はここに来て、ようやくそれを認識したらしい。
遅いよ、遅すぎるよと言いたくなるが、
自民党の政治家が、正しい方向へと認識を向けたことを
前向きに考えるべきであろうか。


この案件は与野党がいい案を出し合っていけばよいだろう。

若き大臣、小渕氏には今後とも粘り強く勉強していただきたいと思う。
選挙では小渕氏は無敵といっていいから、政策を勉強する時間はあろう。

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余談だが。
民主党や社民党が打ち出す「子供手当て」に関してコメントすれば、
いいことだと思うが額が少なすぎるのではないかと個人的には考えている。

子育て世帯にカネを配るというのはシンプルでいい。
ダイレクトに経済的インセンティブを与える。

しかし月に2万6千円程度では、
子育ての決断を促すにはちょっと少ないのではないか。
その2倍くらいのお金を配ってみる価値は、
あるのではないかと思うがどうか。

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2009年02月26日

麻生太郎よ、そろそろ諦めよ

民主支援の吉村美栄子氏初当選 山形知事選、自民推す現職敗北
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012501000225.html

選挙:王寺町長選 民主推薦、保井さん初当選 64票差で2新人破る /奈良
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090216-00000222-mailo-l29

東近江市長選挙(滋賀県) 民主・社民推薦の元県議西沢氏が初当選
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_flash/0902/0902130376/1.php

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大分市議46人決まる 自民現職3人落選 民主1増 - 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/78911

大分合同新聞【大分市議選】
http://www.oita-press.co.jp/oitashigisen/index.cgi?1=2

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ニュースを貼り付ければきりがないが、貼った以外にもある。
地方の選挙でも各地で自民党が苦戦している。

民主党は新興政党であって、地方組織は一般的に脆弱である。
それでも地方選挙で自民党に勝つケースが増えているのだから、

麻生政権および自民党そのものへの不信、
民主党への期待感というのは並々のものではないのだろう。

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逆に、いま自民党が民主党に勝る唯一のポイントは、
地方組織が相対的にしっかりしているということである。
それ以外は何もない。


ところが地方選挙でズルズルと敗北を重ね、
地方議員、首長のポストを民主ほか野党系に奪われていくようでは、
その唯一の強みすらも失われていってしまうことになる。

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いま、とりあえず自民党にできることは、一つしかない。

予算が成立したら、麻生総理でもほかの総理でもいいが、
とにかく速やかに衆議院を解散し総選挙に打って出て、負けることである。

負けて、有権者に「自民にお灸をすえた」という気分になっていただくことである。
とにかく一発ガーンと殴られて許してもらおう、ということだと言い換えてもいい。


このままでは首長、地方議員のポストを
片っ端から野党にさらわれていくことだろう。

また、衆議院選挙の結果自体も、
選挙を引き延ばせば引き延ばすほど、悲惨なものになっていく。

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負けるときは負けるのである。

潔く負けて、傷口を広めないことが重要だ、
と私は以前から考えてきた。


自民党議員の多くも、そろそろ、それに気づき始めてきた。
だから解散を求める声も出てきている。

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ところが麻生太郎は、麻生政権の存続にばかりこだわる。

何かというと海外に行ってきたり、
経済危機がどうとか、景気対策がどうとかいうことを口実にし、
あの手この手で選挙を引き伸ばしている。


国民生活はおろか、自民党の今後にすら興味がない、
まったく愛党心がないのだなあ、と暗澹たる気持ちになる。

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私は心底からアンチ自民の左派であって、
これまでもこれからも、自民党に投票することはおそらくないであろう。


その私ですら、
「自民党は私の言う通りにしておけばもう少し状況はマシだった」
と悔しく思わざるを得ないのがいまの自民党である。


本当に、「私の言う通りにしておけば」と思うし、

なぜ国民にとって、そして自民党にとって一番の危機の時期、
よりによって麻生太郎がリーダーかと、口惜しく思う。

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ところで余談。

今回のエントリの本筋とは関係ないが、
大分市議選の結果を見ていただきたい。

http://www.oita-press.co.jp/oitashigisen/index.cgi?1=2


公明党の5人の、票がまったく偏っていない。
票が多すぎたり少なすぎたりせず、
4500〜5000票できっちり当選している。

公明党に何票入るか完璧に読むことができ、
支持母体、創価学会の学会員に対しては、
誰々に投票しなさいと、きっちり指示を出すことができるからこそ、
できることである。


創価学会の組織力、そして選挙対策本部の有能さ、
今さらながら驚かされる。

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喜べぬ勝利の宣言

米大統領、富裕層増税へ=国民皆保険に向け資金捻出
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090226-00000072-jij-int

ただこの1件のニュースだけをとらえて言っているのではないが、
アメリカでも新自由主義は終わるということになりそうだ。

そして日本の新自由主義者がいう、
「金持ちに増税すると海外に逃げる」という妄言もこれで封じられよう。

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「新自由主義」「ネオリベラリズム」という言葉は、
いかにも定義があいまいで私はあまり使わない言葉なのだが、
まあ、「小泉・竹中的な思想」といっておけばいいのかもしれない。


いわゆる「新自由主義」

いわゆる「社会民主主義」という
対立軸を考えるとすれば、ことここに及んでは、
政治的にも、思想的にも、社会民主主義のほうが勝利した。

おそらくそう考えていいだろう。

そのこと自体は一人のSocialistとして喜ばしく思う。

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小泉や竹中と共に仕事をしてきた経済学者の、
中谷巌という男は「竹中平蔵君、僕は間違えた」と懺悔を書き連ねる。


この間、香山リカの話を聞く機会があったのだが、
彼女いわく「私たちが中谷さんの立場に置かれた方がよかったのかもしれない」と。

つまり新自由主義が成功し人々が幸せになり、
社会民主主義者のほうが負けを認める展開になっていたら、
それはそれでよかったのかもしれないと。


しかし現実は逆であって、人々は貧困に苦しんでいる。
貧困とまではいかない人も生活に不安を抱えている。

それをどうするかということ、
極端に言えばそのただ一つだけが、いま政治に課せられた課題であろう。

勝った、勝ったと喜んでばかりはいられない。
現実は厳しい。

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2009年02月24日

火事場の暴君

「衆院選後に大連立を」 平沼元経産相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090224-00000578-san-pol

 平沼赳夫元経済産業相は24日の民放BS番組の収録で、政治体制のあるべき姿について「10年くらい選挙を凍結し、挙国一致内閣をつくり、この難局に立ち向かわないといけない」と述べ、次期衆院選後は自民、民主両党などによる大連立政権をつくるべきだとの考えを示した。

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平沼氏のいうことが実現するようであれば、
私としては、ヘルメットとゲバ棒を持って散歩に出かける必要がある。


まあ頭がお花畑な右翼の放言、と受け流してもいいところだが、
ただ、こういう発想やレトリックでもって、
権力を強化しようとする政治家には注意する必要があろう。


たとえば恐慌や災害、紛争やテロ。
こういった「『非常事態』に対処する」ということを口実にして、
選挙、議会、野党、民主主義、ジャーナリズムなどを否定しようとする。

時には自作自演で「非常事態」を演出する可能性すらある。

権力者というのはつねにそういうインセンティブを持っているし、
市民の側も、危機を煽られれば、
つい市民としての自覚と権利を手放し、権力者の横暴を容認しかねない。

注意しなければならないと思う。


そういえば、
「直近の民意を受けておらず権力の座にある正統性がない」
と言われた麻生総理大臣は、
「みぞうゆうの経済危機」を口実に選挙を回避した。


マスコミ等で何度も言われたことだが、
それなら昨年のうちになぜ対策をしなかったのか、ということになる。

口実は口実であって、別にどうでもよかったということだろう。

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さてその「直近の民意」を受けていない総理大臣だが、

国民から事実上不信任を受けているにもかかわらず、
日本の代表としてオバマ氏と日米首脳会談をする。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090224-00000153-san-int


内容についてはよく知らないが、
マスコミ報道では、アメリカ国債を買わされるとかなんとか。

絶対買うなとは言わないが、
ただカツアゲされるだけでなく見返りをとってきてほしいものであるが、
えてして交渉というのは「惚れた方が負け」だから期待は薄い。

すでに昼飯を一緒に食ってくれないことになっているから、
いかにも立場が悪いようである。


麻生氏はオバマ氏に会ってツーショットでも撮って、政権浮揚に繋げたい。

逆にオバマ氏にとっては麻生氏はどうでもいいし、
「最初に麻生に会ってやった」という立場でくるだろう。

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国内で行き詰った人は外交でパフォーマンスをやりたがるし、
外交をやりたがる人は得てして内政で失敗した人だと思う。

安倍氏も福田氏もそうであった。

そしてそういう態度で外に出て行くと先方に足元を見られる。


ただ理屈ではわかってもそれをやめさせることはできない。
野党には狭義の外交はできない。国民にもできない。


できることはパフォーマンスに騙されないことだ。

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麻生氏がただオバマ氏に会ってきたというだけで褒めてはいけないし、
カツアゲされて帰ってきたら罵声でもって迎えなければならない。

もちろん、予想に反し、
いい交渉をまとめて帰ってくればそれを評価するべきだろう。

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そういえば、麻生氏とメドベージェフ大統領が会って、
北方領土問題の交渉は結局どういう結論、
もしくは方向性になったのだろうか?

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2009年02月23日

ただ日教組を叩いて票が取れるほど甘くはないよ

いつもの麻生氏の、取るに足らぬトンデモ発言だ。

ただ、これは麻生氏の問題だけにとどまらず、
今の自民党一般が抱える問題を、
この件が象徴しているような気がしないでもない。

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麻生首相「いい加減な教科書変えた」「日教組と戦う」
http://www.asahi.com/politics/update/0222/TKY200902220097.html

 麻生首相は22日、青森市で講演し、民主党批判を展開するなかで「我々は教育基本法を変え、いい加減な教科書を変えた。相手の方はご存じ日教組。私どもは断固戦っていく。それが自民党だ」と述べた。自民党には昨年、日教組批判の議員連盟ができ、麻生政権発足直後に日教組批判発言などで国土交通相を辞任した中山成彬氏が顧問に就いている。

 記述を変更させたという教科書については、首相は「おじいちゃん、おばあちゃんと一緒の写真、こっちは犬と子どもと一緒の写真。両方家族ですって。おばあちゃんと犬は同じか。こんなふざけた話がどこにあるんだと言って、やり合ったことがある」と説明した。

 05年度の教科書検定で「ペットを家族の一員と考える人もいる」との表現が「家族の一員のように親密に思っている人もいる」と変更され、その前年度の検定では「Aさんの家族(母、父、弟、犬)」が削除された。同時期の国会質疑で自民党議員がペットを家族に含めることを批判しており、首相発言はこうした経緯を指したとみられる。

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1.内容がいい加減
別に日教組が教科書を作っているわけではないし、
政治家が教科書の内容に本当に介入しているとすれば大問題だ。

案の定、後にそのあたりをつっこまれてしどろもどろになる麻生氏。
「口から出まかせ」に近いものがあったのだろう。

麻生氏だけでなく、
最近の自民党議員は思いつきで物を言う傾向があるが、
今後はその辺りを改めないと、政策を作っていくことはできない。


2.イデオロギーに走っている
私はこれを一番心配している。

左派の私から見ても日教組に批判すべき点が
まったく何もないとはいえないが、
しかしことさらに日教組を敵視し、
それを叩いて喜ぶのはいわゆる「ウヨク」の層だけだ。

「日教組とやり合った」と豪語する内容も、
「あるべき家族像」というものにうるさい保守的な価値観から来るものである。

かつての自民党、いまの民主党が幅広く支持を集めているのは、
イデオロギーに傾倒せず、
幅広い層の国民の生活を向上させた(させようとしている)からである。

右翼、左翼の思想だけでは支持を集めることはできない。


3.負ける論点を設定している
上に書いたように、
日教組を敵視してついてくるのは「ウヨク」だけであって、
国民の幅広い支持を得ることはできない。

しかし、百歩譲って日教組と戦うとして、
なんで犬の話を持ち出したのかわからない。

日教組であれば、
平等主義とかジェンダーの話題等々、
叩けそうなところは別にあるのではないか。(私は与しないが)


仮に、「犬は家族ではない」というのが自民党、
「犬も家族だ」というのが日教組だというのであれば、
その議論を続ける限り日教組の方が支持を集めるだろう。

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下野後の自民党がしなければならないことは、
党を改革し、この3点を裏返すことである。

1.政策立案能力を磨く
2.右翼イデオロギーに走らず、国民の生活、ニーズに根ざした政治をする
3.自民党の強みを生かし、相手政党の弱いところを攻撃する、もしくは補完する


難しいことだが、人を入れ替えていけば、できるはずだ。

パフォーマンスだけの人、
ネット右翼にしかウケないような人、
無能な二世、
利権に汚れた老害を追い出すこと。


地味でも政策がわかり、
選挙区を一生懸命歩き、一人でも多くの国民の話を聞ける人を呼ぶ。


『ビジョナリー・カンパニー2』に倣っていえば、
何よりも先に、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろすこと。

遠回りに見えて、自民党が復活するにはこれが一番の近道だと思う。

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2009年02月22日

新竹下派・バラクオバマ

少し古い話題になるが、オバマが新大統領になったとき、
その選挙手法に対しても多くの注目が集まった。

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まず個人からの小額献金を集めたということが大きいと思う。

それはたくさんのお金が集まったこと、それだけではない。


特定のプロジェクトに、部分的なものであれ参画した人は、
プロジェクトの成功を願うようになるのが普通だ。

つまり1ドルであろうと1セントであろうと、
献金をしたら、その人に票を投じる可能性は高いのである。

小額の献金を広く募ったことで、もちろん集金効果それ自体もあっただろう。
しかしカネを集めると同時に、票も集めていることになったはずだ。

実際のところ、今回はじめて大統領選挙に投票した人の7割は、
オバマに投票したという。

オバマが、投票日には普段家で寝ている人間を起こしたのかもしれない。

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インターネットは誰でも情報が発信できる。
いまではほとんどの政治家、政党がウェブサイトを持っている。

しかし、えてして情報の流れが、
「発信者→受信者」という一方的なものになりがちである。


オバマはインターネットをうまく使ったというが、
SNSを利用したり、コミュニティを作ったりと、
あくまで支持者同士の、人と人、peer-to-peerの繋がりを重視している。

人と人との繋がりの中で投票を頼まれたり、
投票先を人に言ったりすれば、やはりそれは行動につながるものだと思う。

たとえそれがインターネットであったとしても。

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テレビなどのマスメディアを利用し、
不特定多数に支持を呼びかけることを「空中戦」、

街頭演説、握手、支持者まわり、ポスター貼りなど、
特定少数への支持の呼びかけを積み重ねていくのを「ドブ板選挙」

と、仮に分けるとするならば、
オバマがやったことは、「インターネットを利用したドブ板選挙」である。
21世紀の竹下派の選挙ではないかと思う。

私はしばらく「ドブ板2.0」と呼ぶことにするがたぶん流行らないだろう。

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日本では、友人同士で政治の話をすることは少ないし、
ネット献金といっても、ネットバンクサービスの普及度は低い。

また、インターネットを用いた政治活動も、
アメリカに比べると大きく制限されている。


簡単にオバマの真似ができるわけではないだろう。
しかし、一部を取り入れることはできるのではないだろうか、とは思う。

参考にすべきは演説よりもこちらだろう。

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日本でも小沢一郎がニコニコ動画に生出演するなど、
いろいろな試みがなされている。

しかし「支持者同士のつながりをコーディネイトする」という域には達していない。
知恵を絞れば、いくらか方策は考えられると思うのだが。

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2009年02月21日

共産党のデイ・アフター・トゥモロー、それと選挙制度

「ネーダー効果」という言葉がある。

これはアメリカ大統領選挙に毎回出馬している、
ラルフ・ネーダーという人物からとられた言葉である。


皆さんご承知のように、
アメリカの政治は強固な二大政党制であり、
共和党と民主党以外はほとんど影響力を持たない。

従ってラルフ・ネーダーが無所属で大統領選挙に出馬しても、
まったく当選する見込みはない。

ネーダーは当選可能性を度外視で選挙に出ている。
このこと自体は決して責められることではないだろう。

ところが、である。
ネーダーの政治スタンスとしては左派よりで、
どちらかといえば、共和党よりは明らかに民主党に近い。

従って、民主党に入れるはずの中道左派ないし左翼の有権者の票が、
ネーダーと民主党候補の間で分散してしまう。

そうなると、結局のところ
ネーダーが最も嫌いな共和党を助けることになってしまう、
というのが「ネーダー効果」である。

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日本でもまったく同じような構図が発生している。

日本共産党である。


日本共産党にはラルフ・ネーダー以上の勢力があるが、
基本的に、小選挙区で議席を取るだけの力はない。

ところが日本共産党は候補を立てる。
これは実質上、自民党を助けている。

共産党がいなければ、共産党に投票するはずだった有権者が、
民主党に流れる可能性がそれなりにある。

これは「ネーダー効果」と同じ状況であって、
共産党支持層がもっとも嫌いなはずの自民党を間接的にアシストしている。


しかし、簡単に「馬鹿だなあ」と言うなかれ。

公式的な共産党の立場としては、やはり自民も民主も駄目なのである。
自民より民主のほうがマシだろうと思っているのは、
実は、民主党支持者の勝手な議論なのかもしれない。


また、日本の選挙には特殊事情がある。
小選挙区と比例代表が並立していて、同時に投票が行われる。

「共産党の候補が出ているから」選挙に行こうと思った共産党シンパ。
共産党の候補の演説を聞いて、あ、この人いいなと思った無党派。

共産党が出ていなければ棄権したか、他党に流れていたはずの人々だ。

この人たちは、小選挙区で共産党候補の名前を書く。
この候補は落ちてしまい、投票は死票になる。意味がない。

しかし、比例代表の方にも、恐らく「共産党」と書いてくれるはずだ。
これは死票になるとは限らない。
共産党は、衆議院で自身が得る、約9議席のすべてを比例代表で得ている。

要するに、比例代表の票を掘り起こすために、
小選挙区に候補を立てるインセンティブがあるのである。

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しかし、選挙にはお金がかかる。

とくに、「供託金」はでかい。

これは冷やかしで適当な奴がどんどん立候補するのを防ぐための制度で、
あらかじめ選挙管理委員会にお金を預けておき、
あまりにも得票率が少なすぎるとき、それが没収されてしまうというものだ。


共産党としては、もうお金もあまりないので、
供託金が没収されてしまいそうなほど勢力が弱いところには、
もう候補者を立てないことにした。

これで大喜びしたのが民主党陣営で、
危機感を抱いたのが自民党陣営であるから、
今まで明らかに「ネーダー効果」は発生していたのだといえるだろう。

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自民党・公明党は策略を練ってきた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080619/stt0806190046000-n1.htm

供託金が没収されてしまうハードルを下げて、
どんどん共産党に候補を立ててもらって、
左派・リベラル層の票を分散させてしまおうという寸法だ。

あからさまな党利党略だが、戦略としては間違っていない。

もっとも共産党はその手に乗らず、
候補を増やすという方針にはならなかった。

それで、この話は立ち消えとなった。
自民党・公明党の無節操さにはあきれる。

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結局、「自民、民主、共産」の3候補が出るパターンでは、
共産党支持層はよく考えないといけない。

何が何でも共産党に入れるのか、
「自民よりマシ」な民主党に、泣く泣く入れるのか。

仮に民主党に入れたら、そういうのを政治学では「戦略的投票」という。

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しかし、なんで有権者は、一番気に入る政党に入れられないのか。
選挙制度を工夫すれば、もっと心置きなく投票できるのではないか?

たとえばフランスの大統領選挙は少し工夫している。

過半数を取る候補がない場合、上位2名で決選投票を行う。

こうすれば、決選投票にはほとんど確実に、
右派の国民運動連合と、左派のフランス社会党が残るので、
第1回は心置きなく好きな政党に入れることができる。

もっとも2002年の選挙では、
http://ja.wikipedia.org/wiki/2002%E5%B9%B4%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%81%B8%E6%8C%99

このように決選投票にフランス社会党ではなく、
極右政党、国民戦線のルペンが残ってしまっている。

5位以降の「労働者の闘争」、「市民運動」、「緑の党」、
「革命的共産主義者同盟」など、左派が分裂しすぎだ。

そのあたりが少しでもフランス社会党に票を流していれば、
どうみてもルペンには勝っていたはずだ。

この選挙制度も、完璧ではない。

何より日本で、国会の選挙で二回も投票をやる余裕もなかなかなかろう。

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もっと楽そうなのは、
好きな候補順に、優先順位を書いてもらう投票方式だ。

この方式の総称を「選好投票」という。

例えばだが、一番好きな候補から一番嫌いな候補まで、全部書いてもらう。

で、共産党が落ちたとしても、
仮に共産党に入れた人が「1.共産 2.社民 3.民主 4.自民 5.公明」と書いていれば、
それを考慮する。

その考慮の仕方は、いろいろ方式があるがややこしいので省略する。
もちろん、ややこしいこと自体が欠点である。投票も面倒だし。

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さらによいといわれるのが、
アマゾンのレビューなどで、星1つから5つまでの点をつけるように、
候補者に点数をつけてその平均で争う「範囲投票」である。

これなら、基本的には票割れ等々の問題は起こらないし、
民意を比較的正確に反映する。

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私はどちらにしろ比例代表制がよいと思うからなんなのだが、

ともあれ、少なくとも今の小選挙区制度というものは、
必ずしも民意をうまく反映しないんじゃないだろうか。


フランス大統領選挙、選考投票、範囲投票など、
参考にしてみてもよいのではないかとは個人的には思う。

範囲投票は新しすぎるアイデアであり、
公職選挙で採用されたという話はまだ聞かないが・・・

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とはいえ、当分は確実に今のままの選挙制度が続いていくわけで、
共産党支持層はどういう風に振舞うか、思案のしどころである。


共産党支持層にとって、民主党が必ずしも自民党よりいいか、
というと別にそんなことはまったく確かな話ではないのである。

民主党はいうまでもなく、自由主義経済の推進政党であるのだから。


ただ共産党支持層にも、一般党員のレベルでは、
民主党政権に期待する声もあるようである。

ひとつは「自民よりマシ」論であり、
もうひとつは、「次の次」論である。

いったん民主党に政権を作らせ、
その民主党政権をもまた批判する。

「自民も駄目、民主も駄目」ということになれば、
「左からの政権批判」の受け皿は、いよいよ共産党ということになる。

これはなかなか面白い話で、
共産党が伸びるとすればそれが一番現実的なシナリオではないか。

もっともそれは民主党政権が失政をして
厳しい批判に立たされているという状況であって、
私にとってはそれほど愉快な未来図でもないが。

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共産党についてはいろいろ論じてみたいこともあるが、
それはまた別の機会に譲る。

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選挙制度については、
『投票のパラドクス』という本がたいへん面白い。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4791764153/

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高速道路無料化に関し政策論争を望む

高速無料化:効果2.7兆円 民主「試算隠し」批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090220-00000121-mai-pol

 国土交通省が所管の財団法人に発注した高速道路料金引き下げに伴う経済効果の試算業務で、高速道路無料化の効果を「2兆6700億円」と推計する結果が出ていたことが分かった。民主党の馬淵澄夫氏が20日の衆院予算委員会で指摘した。無料化は民主党の看板政策の一つだが、法人が国交省に提出した報告書からは、無料化に関する記述が削除されていた。馬淵氏は「なぜこの結果を表に出さないのか。民主党の政策だからか」と迫ったが、金子一義国交相は「私のところには来ていない」とかわした。【田中成之】

 試算は国交省の国土技術政策総合研究所が07年10月に財団法人「計量計画研究所」に発注。引き下げによる利用増で生じる時間短縮効果や、一般道での事故減少効果などを推計した。報告書は3割引き下げで5200億円、5割引き下げで1兆200億円の効果が生じるとし、政府の経済対策の柱の高速料金引き下げの判断材料の一つとなった。

 馬淵氏は試算業務の関係者から、無料化部分が削除される前の報告書を入手。「無料化の結果を隠ぺいか削除かして表に出さず、3割引き(に相当する引き下げ)を実行しようとしている。無料化を検討すべきだ」と迫り、削除前の報告書公表も要求した。

 麻生太郎首相は「ただにすれば効果が出るのは当然。しかし、(旧)道路公団の借入金の返済を、道路を使わない方々の税金から賄うことになり、問題ではないか。資料(提出)は国交相に検討させる」と答弁した。

 民主党は、検討中の高速道路無料化法案の「重要なデータになる」(中堅)として、政府への提出要求を強めていく。

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たとえばこの高速道路無料化の話にしても、
資料を隠すなんていうことはせず、建設的な議論をすればいいと思う。

道路行政なんてことはまったく門外漢であるので、
ちょっと実際のところはよく分からないが、
これはなかなかよさそうな政策だと思うのだがどうか。


無料化にかかる費用は、1.5兆円。
経済効果が2兆6700億円という試算があるのであれば、
まあ若干得かなという評価になっている。

ただ、無料化となれば
「引き下げによる利用増で生じる時間短縮効果や、一般道での事故減少効果」
以外の効果も見込めるので、経済効果はもっと高いと思う。

ただ、正確なところは私にはわからない。


わかることとしては、
これは皆さんが思う以上に、スケールが大きい話である。
それだけに、リスクもあるだろう。


私なりにメリットを書き出してみる。
・観光や帰省などが楽になる
・ヒト、モノを運ぶスピードがアップ、コストがダウンし、経済効果が発生
・たとえば宅配便や通販の配送料なども安くなるかもしれない(?)
・大型トラックなどが下道を走らなくなるので事故が減少する
・料金所撤廃により出入口をもっと簡素なものにでき、多く作れる
・ETCの設備投資がいらなくなる
・出入口増加により、より多くの沿道の地域が活性化(?)
・地域のネットワーク化に貢献(?)
・料金所撤廃により、渋滞の原因が解消(?)


デメリット、あるいはリスクも考えられる。
・財政支出が増える
・高速料金を税金でまかなうのは車乗らない人に不公平(麻生氏の議論)
・新幹線やフェリー等々の業者に打撃を与える可能性(?)
・高速の利用が増えるため、渋滞が発生(?)
・ストロー現象により衰退する自治体が出る(?)
・せっかくのETC設備が無駄に

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と、このように、賛否両論の面から色々考えられる。
政策論争の素材としては面白いと思うのだ。

私個人は賛成だが、
国会では反対側から色々な意見が出ればいいと思う。

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ただ、自民党側からの反論が、少し寂しいような気がする。

民主党の政策に対して、自民党が必ず言うのは「財源がない」という議論だが、
天下り官僚の退職金とか、道路建設とか、定額給付金とかの費用はあるくせに・・・
という議論になってしまえばやはり苦しい。

「荒唐無稽」と切って捨てたのは金子大臣だが、
自民党や公明党も値下げを言い出しているのだから説得力に欠ける。

麻生氏の言うのは「受益者負担の原則」だが、
経済効果があるとなれば車に乗らない人も得をするのだから、
あまりこだわる必要もないと思われるかどうか。

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そういう議論に終始するよりも、
実際のところ、高速道路が無料になったらどういう影響を及ぼすのか、
ということを議論したり、シミュレーションしたりするほうが有意義だと思う。

私が気になるのは、
とにかく、高速道路無料化で打撃を受ける人はいないかということ。
そういうことを議論すればいいと思うのである。


政権交代したら、高速道路無料化は実現の方向へ動くのだろう。

高速道路無料化に限った話ではない。
いろいろな目新しい政策が、実行に移されることは間違いない。

子ども手当、農家の戸別所得保障、年金制度改革・・・
いずれも魅力的なアイデアだが、穴がないという保障はどこにもない。


その時、自民党公明党にはぜひ色々と研究を行い、
批判して、より精緻なプランに練り直させること、
またあまりにも問題が多いようであれば、
再考を促すことを期待したいと思うのだ。

ただ自民党公明党には、その能力がありやなしや、
ということが懸念になってしょうがないのである。


また、与野党の勢力が均衡していなければ、
政策論争などおざなりにしても構わない。
問答無用、強い方の案が通ってしまう。

後期高齢者医療制度などがそうであった。

今度は民主党の横暴を見ることにならないよう願いたい。

その意味で麻生氏のブレ、中川氏の泥酔等々は、
まったく余分なことであり、残念である。
彼らのせいで、おそらく民主党は勝ちすぎてしまう。

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ちなみに、首都高、阪神高速、
東名高速の御殿場までは無料にならないことを書き添えておく。


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ついでに書いておくが、
政策論争のときは、財源論に拘泥してほしくない。

財源があるとかないとかいう話は不毛なものになりやすいから、
政策論争をする時に財源論に終始するのは、私はどうかと思う。

お金がかかる政策でもほかのことをやめればできるのであるし、
場合によっては、借金してやることも許される(濫発は困るが)。



無駄、無駄、と言われる道路建設だって、
「この道路は要るか要らないか」と言われれば、
そりゃまあ、ないよりはあった方がいいねということになるし、
出そうと思えばそれに予算をつけることもできる。


問題は「何に対して優先的にお金を使うべきか」
及び「いま国の借金を減らすことをどれくらい重視するか」
ということである。

高速無料化なのか、子ども手当なのか、失業対策なのか、農家の所得保障なのか、小学校の耐震化なのか、介護職への支援なのか。
定額給付金なのか、道路建設なのか、地デジ対応テレビへの補助金なのか。
それとも国の借金を減らすことを急ぐべきなのか。

数ある政策の中で何を優先すべきかということである。


だから個別の問題を論じる中では、
「この政策の財源はあるかないか」という議論は不毛になるのだ。

その政策、優先順位が高ければ財源は「『ある』ことになる」。
低ければ、ないことになるのだ。

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社民党のサイト、
財政を扱ったページにはこのような言葉が掲げられているが、名言である。
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/other/070901_column.htm

「財源というものは、ないと言えばない、あると言えばあるものであって、政府の意思によって、あるいは国会の意思によって、財源が生じてきたりなかったりするものである」

社会党きっての財政通であった木村喜八郎参議院議員の言葉だという。

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2009年02月20日

自民党について・その1

郵政選挙を例外として、
自民党の勢力は衰退の一途にある。

そして郵政選挙の一瞬の輝きの後、
野党に落ちるということを一足飛びに越えて、
党の存亡の危機といっても決して過言ではない状況に置かれている。

自民党がここまで崩壊しようとは、さすがに予想外である。
意思決定システムは作動しないし、
野党の政策について建設的な批判をするということもないし、
スキャンダルは噴出しすぎてもはやツッコミきれない。

ウソだと思われるかもしれないが、
ここまでの事態になったことを、私はそれほど喜んではいない。
本当である。

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もしかしたら日本の政権交代というのは、
王朝の交代のようなものになるのかもしれない。
自民が潰れて民主、民主が潰れて■■、■■が潰れて○○、
というように、つねに1つの巨大政党が政権を担う、と。

もちろんそれはまだわからないが、
仮にそうなったとしたら私は困る、と言いたい。

多党制は二大政党制よりいいと書いたばかりだが、
二大政党制でも、少なくとも一党独裁よりはマシだ。


巨大化した民主党が分裂して「民主A」と「民主B」が
二大政党をなすということも可能性として考えられなくはないが、
今のところはおとぎ話に過ぎない。
小選挙区制において、大政党から飛び出すということはきわめて難しい。

新しい政党の出現という可能性もあるが、
それはもちろん自民党の再建よりも道のりが遠かろう。


なので、さしあたっては自民党再建の可能性を考えてみたい。

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しかしその前に、
現状把握という意味で、野中尚人氏の議論を紹介する。

学習院大学の教授で、
著書に『自民党政治の終わり』という名著がある。
この本はおすすめしたい。

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http://www.videonews.com/on-demand/0391391400/000794.php

 野中氏の言う自民党システムとは、族議員が多様な意見をボトムアップで吸い上げ政策に反映させる、高度に民主的な仕組みを含んでいた。また、政務調査会など党内に巨大な政策立案機能を抱え、国会に諮る前に族議員を中心に党内で丁寧な合意形成を行う点も、自民党システムの特徴だった。
 族議員が合意形成や意見集約に機能を果たす一方で、派閥が若い議員の面倒を見るとともに、政治教育の場を提供してきた。そして、派閥の幹部が説得することで党内での合意形成が可能となり、小選挙区制や消費税の導入など困難な法案を成立させることが可能だったと、野中氏は指摘する。また、一見、当選回数による派閥順送り人事のように見えて、実際はポストをめぐる熾烈な競争も裏で繰り広げられていた。
 ところが、小選挙区制の導入によって自民党システムの要だった派閥制度は崩れ、トップダウンの小泉改革で、ボトムアップの根回し型意志決定システムは、完全にその息の根を止められてしまった。冷戦構造が崩れ、日米同盟がもはや自明なものでなくなったことも、高度成長が終わり、自民党システムを使って配分する利益が消えてしまったことも、自民党システムをさらに弱体化させる原因になったと野中氏は指摘する。
 自民党システムが機能するための前提が崩れ、システム自体が崩壊した今、自民党がこの先も長期にわたって政権政党の座にとどまり続けることは困難だろうと、野中氏は予想する。また、もし仮に自民党が政権にとどまることになったとすれば、それは党名は自民党のままでも、実質的な中身は、これまでの自民党とは全く違ったものになっているはずだとも言う。
 しかし、もし仮に野中氏の言うように、自民党システムが機能しなくなっているとしても、それを全否定することには注意が必要だろう。その中には、日本が時間をかけて培ってきた普遍的な資産が含まれている可能性も十分にある。一旦これを失えば、次に政権の座につく勢力は、ゼロからすべてを再構築しなければならなくなる。

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私の意見も加味し簡単にまとめる。

「自民党政治終焉」の構造的な要因
・冷戦の終結→野党に政権を託すことが可能に
・高度経済成長の終焉→利益誘導政治が困難化
・中選挙区制の終焉→政権交代可能な制度に+派閥の弱体化
・派閥の弱体化→人材育成、政策立案、利益誘導システムが弱体化

小泉政権がもたらしたもの
・「小泉改革」→郵政はじめ支持母体の切捨て
・「官邸主導」→自民党のボトムアップ的意思決定システムを破壊
・格差社会の招来→「国民全体」の利益を包括する政党であることを放棄


なお私は、
派閥や族議員など「自民党システム」と呼ばれるものが、
政治の腐敗、税金の無駄遣い、利権の発生などを
もたらしてきたことは無視しようというものではない。

そういった面に対しては批判をおろそかにしてはならない。

そういう負の側面がある一方で、
ともかくも自民党が政権を維持し、
戦後日本を支配する原動力になったことは事実であろう、
と言うまでのことである。

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続きはまた今度。

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