2009年02月19日

中川騒動においての新聞ジャーナリズムの問題点

しつこいようだが中川大臣のアレについて。
ただ今回は切り口が違う。新聞を批判したい。


まずは毎日新聞のコラムをお読みいただこう。

----

酸いも辛いも:ローマの醜態とメディア 玉置和宏
http://mainichi.jp/select/biz/tamaki/news/20090218org00m020001000c.html

日本の報道はどうか。不思議なことに外国メディアがこの奇怪な行動をあからさまに報道しているのに、ほとんど伝えていない日本の大新聞もあったことだ。この新聞にまともなローマ特派員か随行記者がいれば、もちろん書いたであろう。いや送稿してこなければデスクとして催促するのが仕事だ。あってはならないことだが、実際に書いてきたのに本社デスクサイドが自主規制でボツにしたのだろうか。

 だがこの新聞だけを責めるのではない。ほかの新聞の報道も本格的な腰が入っていたかといえば必ずしもそうでもない。その中で身びいきと言われるかもしれないが、この愚行を大新聞の社説で最初に厳しく質したのは毎日新聞だけだった。それを言っちゃお終いよ、と言うなかれ。PRするつもりは一つもない。この世界に45年生きていて大学で「新聞論」を講じている人間から見ると、この差は新聞ジャーナリズム度を測る格好の物差しになると思うからだ。

 TVニュース報道の多くは新聞記者の血と汗を「ただ取りしている」と思うことが少なくない。1行のコメントを取るのに死に物狂いの努力をしている。TVの画面一杯に新聞記事を掲載してバラエテイ風にこれを伝える。なかには自分はほとんど新聞の情報に依存しながら「なぜ新聞はこういうことを書かないのか」などと喚いて視聴率をとろうとするキャスターもいる。新聞人からみれば昔の週刊誌商法にならったTV言論ビジネスの悪しきモデルだといいたいほどだ。

 だが今回に限れば残念ながらTVジャーナリズムの完全勝利だろう。それが理屈ではなくあの「へろへろ大臣」の映像の繰り返しが世論と政治を動かしたのだ。世界の経済危機の課題を協議するG7という重要な会合後に日本の担当大臣が愚弄(ぐろう)されるような報道が世界に発信された。この不名誉な事件から我々新聞ジャーナリストも学ぶべきことは多かった。

----

このコラムで言うとおり、
この件では新聞はTVジャーナリズムに敗北した。

率直な反省は評価に値する。

しかしながらこのコラムを載せるとともに
「この愚行を大新聞の社説で最初に厳しく質した」
毎日新聞も、中川大臣の件に関して罪なしとはいえない。
これは後に述べる。

----

思えば、たしかに新聞は最初「中川大臣飲酒」とは報じなかった。
「眠気こらえ」「かみ合わない」等々、かばっているとしか思えない表現。

日本の新聞は、海外のメディアが中川問題を報じてから、
後追いの形で「飲酒問題」としてはじめて報じ始めたのである。



「もし万が一病気である場合、それを飲酒扱いしたら大変だから及び腰だったのか?」
と当初の私は考えたのだが、その仮説はすでに棄却されている。

なぜなら、あの泥酔会見直前の昼、
中川氏は財務省の「玉木局長」、女性新聞記者などと会食しているからである。
下のほうに貼り付けた記事を参照されたい。


そして、その会食の直後が、あの泥酔会見である。


その後はご存知のとおり、中川氏の苦しい釈明があった。
初めは「飲んでいない」、その次は「ゴックンはしていない・・・」


しかし結局、中川氏は女性記者らとの会食の場で、
自らワインを注文していて、
それが少なくとも泥酔会見の原因のひとつである。

中川氏はそれを隠していたわけで、
実質的にはウソをついていたと言って差し支えない。

それは最終的に「玉木局長」という
財務官僚が国会に呼びつけられて、そこで口を割ってバレた話。

----

私は疑問に思う。
そこにいた女性記者らは何をやっていた、というのか?


「女性記者」が目撃したことをそのまま記事に書けば、
簡単にウソとばれる話であった。

玉木局長が国会へ出かけたりするまでもなかったはずである。

記者たちはなぜ沈黙したのか、まったく分からない。


少なくとも会食の場に、読売新聞の記者はいたわけである。

中川大臣と一緒に記者が酒を飲んでいたのに、
「飲酒」と報じることをしなかった、できなかった新聞社の姿勢を、
私はまったく理解しない。


中川大臣と一緒に記者が酒を飲んでいた件の第一報は、
その場に記者がいなかった、毎日新聞である。

毎日新聞に報道されるまで、
読売その他のメディアは中川大臣と酒を飲んだ事実を黙っていたわけである。

中川大臣をかばったのか自社記者をかばったのか。
ジャーナリズムとしてはいただけない話ではないだろうか?

----

また、その場が記者がいなかったという毎日新聞などにしても、
もっと早く真相を報じることはできたはずである。
少なくとも、海外の報道より遅れる理由はないのだが、
なぜかどこの社も横並びで、海外報道の後追いをした。

これも理解しがたい。

----

少なくともこの件に関して、
新聞のジャーナリズムは死んだも同然だったといっていいと思う。

整理すると、疑問点はこうだ。

1.直接記事の材料にするわけでもないのに、政治家と恒常的に会食するというのは、ジャーナリストが権力者に対峙する姿勢としていかがなものか。

2.なぜ同席していた記者の名、所属する社が明かされないのか。

3.なぜ当初、中川大臣の飲酒について報じられなかったのか。

4.なぜ中川大臣と記者との会食について報じられなかったのか。

----

率直に言えば、
中川大臣をかばっていたのではないか、と勘ぐられても仕方がないだろう。
猛省を促したい。

やはり政治家とメディアが癒着することは望ましくないと思う。

----

自民党支持者の方々はもしかすると
これを問題視しないような場合もあるかもしれないが、

いまや政権交代の時代である。


たとえば民主党、社民党、国民新党の政権になり、
そこで大臣がなにか失態を犯したとしよう。

メディアが、なぜかその政権を批判できない、
ということになればやはり自民党支持者も困るはずである。


要するに日本の民主主義という大きなものに関わる問題である。
与党支持者も、野党支持者も、
メディアの公正さという価値を重んじていただきたいと思う。

----

参考。

中川財務相:G7昼食会抜け出し、同行記者とワイン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090218-00000005-mai-pol

中川氏、ワインを自ら注文 G7会見前の昼食
http://www.asahi.com/politics/update/0219/TKY200902190115.html

----

人気ブログランキング
クリックによる声援をいつも送っていただき、ありがとうございます。


posted by socialist at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小ネタ

あながち、小ネタでもないけど。

----

劇場政治。


西川議員秘書 酒気帯び容疑 福岡県警が摘発
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/78083

自民党の西川京子衆院議員(福岡10区)の秘書を務める長男(36)が道交法違反(酒気帯び運転)容疑
で福岡県警に摘発されていたことが18日、分かった。容疑を認めているという。

----

いよいよ麻生おろしの動きです。麻生氏はもう無理かな・・・

しかし政権党の政権運営や国会対策の会議に同席するって、
それはジャーナリストのやることと言えるのかなあ。


<自民>森・青木・山崎3氏が意見交換
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090219-00000002-mai-pol

 自民党の森喜朗元首相と青木幹雄前参院議員会長、山崎拓前副総裁は18日夜、
東京都内で会談した。今後の麻生太郎首相の政権運営や国会対策などをめぐり、
意見交換したものとみられる。会談には渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長兼主筆と
氏家斉一郎日本テレビ放送網取締役会議長が同席した。

----

人気ブログランキング
クリックによる声援をいつも送っていただき、ありがとうございます。
posted by socialist at 01:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。