2009年03月02日

自民党について・その2

自民党について・その1
http://apc-st.seesaa.net/article/114541507.html

「自民党政治終焉」の構造的な要因
・冷戦の終結→野党に政権を託すことが可能に
・高度経済成長の終焉→利益誘導政治が困難化
・中選挙区制の終焉→政権交代可能な制度に+派閥の弱体化
・派閥の弱体化→人材育成、政策立案、利益誘導システムが弱体化

小泉政権がもたらしたもの
・「小泉改革」→郵政はじめ支持母体の切捨て
・「官邸主導」→自民党のボトムアップ的意思決定システムを破壊
・格差社会の招来→「国民全体」の利益を包括する政党であることを放棄

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前回は、自民党政治の行き詰まりの要因について書いてみた。
今回は、自民党が野党に落ちるとどうなってしまうのかについて書く。


1.公明党、創価学会の動向
いまや自民党は選挙において創価学会に完全に依存している。

http://www.news.janjan.jp/election/0709/0708300543/1.php
2007年参議院選挙の比例代表の得票率をもとに
シュミレーションを行っている。

自民・公明が協力を行わなかった場合、
2党合わせて、3分の1の議席すら獲得できない。

2党合わせて、である。


これはあまりに粗すぎるシュミレーションだし、
何より2007年選挙といえば自公に圧倒的な逆風が吹いた選挙であって、
これをそのまま鵜呑みにすることはできない。

しかし創価学会の組織力なしには、自民党が有力政党として
存続していくことが出来ないことは納得していただけよう。


その創価学会が、いつまで当てになるか。


創価学会が自民党に接近する理由は明快である。

池田大作名誉会長の国会での疑惑追及、
創価学会の一部の活動への課税などを是が非でも避けたい公明党は、
絶対に与党でいたいというインセンティブがある。

一方自民党にもすでに述べたように、公明党と組む理由がある。
だからこそ自民党と公明党はしっかり連立を組むことが出来るのだ。

しかし末端の創価学会員に、やる気がなくなり始めているようである。


公明党は考えてみれば「平和と福祉」を旗印に掲げる政党である。

それが自民党と連立し、
イラク戦争には真っ先に馳せ参じ、社会保障をカットしている。

学会員自身はもとより、学会員が友人に投票を勧めるときに、
どういう風に説明すればいいのだろうか。

学会員は嫌気がさしつつあるようである。


自民党が野党に落ちれば協力のインセンティブもなくなる。

このような体たらくで、野党自民党が
創価学会の集票能力を以前と同じように期待できるかというと、
それは甘いんじゃないの、と考えるのは不自然ではあるまい。

また、創価学会は長期的に見てその信者数を減らしている。

何より池田大作名誉会長が亡くなった後に
その強固な組織力を維持できるかというと、かなり疑わしいのだ。


2.財界などの動向
与党べったりだった経団連会長の御手洗氏が、
もう今にも逮捕か?というところまで来ている。
愉快なことである。

それはそれとして、
財界は基本的に自民党に対して献金を行ってきた。

それに対して、労働組合は民主党や社民党など、
基本的に野党を支援してきた。


労働者=野党、経営者=自民党という基本的な構図があったわけだが、
仮に自民党が下野してしばらく政権に復帰できないとなれば、
利にさとい経営者団体が、どこまで自民党にお金を回すだろうか?

これは少し不明瞭なところがある。

それでも自民党を応援するかもしれないし、
民主党を経営者よりに誘導しようとするかもしれないし、
保守新党を作ろうという方向に動くかもしれないし。

どうなっていくかは、何年か経ってみないとわからないと思う。

ただ、短期的には、自民党だけでなく、
民主党にもある一定程度の配慮をするようになっていくのは間違いなく、
下野した自民党が、今までと同じように財界、あるいは中小企業等々、
各種の利益団体から献金を集めることが難しくなっていくのも間違いないと思う。


3.党の分裂、チームワークの乱れ

これはまったく予想を立てることができないのだが、
自民がいよいよ下野するとなれば、
議員が民主党をはじめとする、時の与党へと流れたり、
党が分裂したりということがあるかもしれない。

権力をめぐって人は移動する。
過去を見ても、細川内閣が成立してからというもの、
政界は混乱につぐ混乱をきたし、政党系統図はすごいことになっている。
http://www.promised-factory.com/100years_after/party/93-99.html


もちろん自民党としても、下野することになるなら、
民主をはじめとする野党に手を入れて連立、引き抜きなどを試みる可能性もある。

しかし上り調子の大政党から落ち目の方に人が流れるというのは、
よほどの策略がないと起こりえないことであると思う。

むしろその逆を考えるほうが自然ではないだろうか。



4.政策立案能力の喪失

野党は政権批判をしないといけないから、
曲がりなりにも、不十分ながらも、政策を作ろうとしてきた。

与党はそんな野党に
「無責任」「対案を出せ」「財源の裏づけはあるのか」などと批判してきた。
自民党自身の行動を省みれば、その批判すら、もう説得力を持たなくなってしまったが。


政府与党にはスタッフがいる。言うまでもなく、官僚である。
官僚に依存することの弊害は言うまでもないが、
ともあれ与党は官僚に政策立案を投げることができる。
政府のお金で審議会や有識者会議を開くこともできる。

政策立案能力云々ということに関しては、
与党のほうが完全に有利な条件をもっているといえる。

しかし、自民党が下野した暁には官僚というスタッフを失う。

その時、かつての野党に浴びせてきた批判が、
ブーメランのように自分たちに返ってくることになる。

いま国会審議のディスカッションで、
自民党が必ず民主党に負けるのはなぜだろうか。
無能な二世議員が多く、政策立案は官僚に依存し、
民主党のように一生懸命勉強していないからである。

官僚依存を続けてきた野党自民党は、
官僚を失った後、政策立案能力をどこまで残すことができるのだろうか。



5.スキャンダルの暴露

たとえば「ミスター年金」長妻昭の名声は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
公務員の税金の無駄遣い、政治家と官僚の癒着、利権構造、
様々なスキャンダルを暴露している。

また野党と大臣が歩調を合わせる「かんぽの宿」疑獄も今で言えばホットイシューだ。



とにかく与党民主党は官僚を叩き、霞ヶ関に血の雨を降らせるだろう。
また自民党のスキャンダルを暴き、権力の維持を図るだろう。

その中で、与党と、官僚と、財界の癒着も少しは明るみに出るだろう。
古臭い言葉で言えば「政官財のトライアングル」である。

自民党議員の汚職や犯罪なども少なくとも一部は暴かれる日がやってくるだろう。
もしかすると逮捕者が出るかもしれない。

その時自民党は、世論からの批判を受け止め、巻き返すことが出来るのだろうか。

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企業の経営資源はヒト・モノ・カネであるという。
政党が生産するモノ=商品は「政策」であると考えれば、

政党の経営資源はヒト、カネ、政策であると考えられるのではないかと思う。
「ヒト」はコアな人材(議員)と、選挙等で働いてくれる実働部隊に分けて考えるといいだろう。


自民党はコアな人材に二世議員が増え、人材育成システムもない。

また、選挙で働いてくれるスタッフは創価学会に、
カネは財界に、政策は官僚に依存している。
下野すればそれらを失いうる。


要するに、
ただでさえ自民党の権力維持システムは行き詰っているのに、
下野するとそれがさらに破壊され、実質的にはほとんど何も残らない。

今後は、ほぼゼロベースのところから自民党を立て直していく必要がある。

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posted by socialist at 13:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
希望もあるが、神様から学んだ无私な人柄で、神の爱の気質を学んでいる。
Posted by new jordan shoes at 2011年01月12日 17:24
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