2009年03月04日

西松建設疑惑、小沢氏秘書逮捕の案件に関する現段階でのまとめ

【ネット中継】小沢代表記者会見 
http://www.dpj.or.jp/news/?num=15366

<小沢代表>会見 違法性の認識を完全否定 辞任もせず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090304-00000002-maiall-pol

きのう深夜の段階である程度予想はついたが、
罪状否認、辞任なしの徹底抗戦路線。
もはや小沢一郎は腹をくくったのだろう。

こうなったら、もはや生きるか死ぬかである。
今後も捜査が進んでいくのだと思うが、
小沢の発言に矛盾が発生したり、ブレたりしたら、
小沢の政治人生はもはやそこで途絶えることになる。

また民主党も、小沢の責任を一切問わず、
陰謀論で突っ張る以上は、小沢が死んだ場合は連帯責任だ。
事と次第によっては政権交代の夢も、
ついに夢のままで終わることになると覚悟せねばならない。

----

さて、この件で小沢を引っ張るのは無理筋であろうと考えていたのは、
私が野党側支持ゆえに考えが甘くなったからではない。


まず逮捕できるほどの罪状ではないではないか、というのがひとつ。

「反戦な家づくり」様がわかりやすく解説されているが、
今回は、小沢の政治団体「陸山会」が
ほかの政治団体から寄付を受けたというケースである。

これ自体は、本来まったく問題ないのである。

ところが、「陸山会」が企業から政治献金を受けるのは、違法である。

西松建設という企業は、ダミーの政治団体をつくって、
実質的に企業から「陸山会」へ献金を行っていた。

だからその時点で、西松建設はギルティーとなる。

では小沢氏側を罪に問うことができるのか。
これは、西松建設のダミー政治団体からお金をもらった際に、
それが西松建設のダミーだと認識していたか、ということが焦点になる。

「西松のカネとは知らず受け取ってしまいました」ということであれば、
これを罪に問うことはできないのである。

政治家が寄付を受けるときに、
「ありがとうございます。ところでこれはどっから出たカネ?」
などと尋問することはできまい。


つまり今のところ、
小沢氏の秘書が「西松マネーだと知らない」という以上、
どう考えても罪に問うことはできないのである。


検察側は、「小沢氏側が西松マネーだと認識していた」
という証拠や証言を持っているのかもしれないが、
それは今後の展開を待たなければ何ともいえない。

少なくとも今のところ、なぜ逮捕に踏み切ったか、疑問が残る。



次に、時期の問題である。
検察というのは、政治家を押さえるような時には、
できるだけ政局に影響しないような時期を選ぶのが通例である。

まあ、通例はあくまでも通例であるし、
その通例が正義にかなうかどうかと言えば難しいところだが、
選挙前に野党第一党の代表の秘書を逮捕、というのは、
異例であることは間違いがない。



次に、手続き的に異例である。
このような場合、まず何度か事情を聴くなどして容疑を固めながら
逮捕まで向かうというのが普通であるように思うが、
今回はまさに電光石火の急展開であった。



そして、何より他の人はどうなのか、という疑念が残る。
自民党などの多くの議員にも、西松のダミー団体からの献金はある。
小沢氏とまったく同じルートである。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-26/2009012615_01_0.jpg

こういった案件は与野党の「バランス」を取るという
奇妙といえば奇妙な慣例もあるのだが。

なぜ小沢氏だけなのか。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090303/crm0903032006036-n2.htm
>ある検察幹部は「ほかの議員は、パーティー券の購入が主だったり、献金時期が盆暮れに集中するなど儀礼的な傾向が強い。小沢氏の長年にわたる献金は、金額や献金時期においても際立っている」と小沢氏側の立件の意義を話す。


このようにあるが、
金額が多いから駄目で、少ないからOKだという案件ではないのは明らかであろう。
また盆暮れの時期だからよいというのも、にわかには納得しがたい。

民主党側が陰謀ではないかという被害者意識を持つのも無理からぬところだ。

----

このように、民主党サイドや植草氏が国策捜査ではないかと憤るのも、
あながち根拠のないことではないと、私は思う。


ただ私自身の、現時点での見解を述べさせていただくならば、
これは自民党・政府の差し金による国策捜査ではなく、
一部の検察官の暴走ではないか、と思う。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090303/trl0903032039015-n2.htm
>佐藤優・外務省元主任分析官(起訴休職)は「官邸が指示した国策捜査というよりは、現場の検察官の本性が出たように見える。彼らは青年将校のように、民主党に権力が移って政治が混乱するのは国益を害すると信じて一生懸命捜査したのだろう。だが内閣支持率が10%前後まで落ちたこの時期に手を付ければ『検察は政治的だ』と必ず言われる。逮捕容疑が事実なら、半年待って総選挙後に淡々と立件すればいい。そう言って止めるのが検察幹部の仕事なのに、統率力が落ちたのではないか」との見解を示した。


私の見解は佐藤優氏のそれに近い。
根拠は、強いものではないが、二つある。



まず自民党サイドの反応である。

麻生氏のぶら下がりの様子はこちら。
http://www.asahi.com/politics/update/0303/TKY200903030259.html
麻生氏の反応には一切の喜びが見られず、苛立ちすら感じさせる。

またこのスキャンダルを生かすなら選挙に打って出てもよいところだが、
それに関しては言下に否定した。

自民党も若手には敵失に乗じるムード出たようだが、
細田幹事長のような中心幹部、伊吹文明氏のような重鎮となると、
一様に慎重な姿勢を崩さない。

あるいはこの案件が自民党に飛び火することを心配しているのかもしれないし、
予想外の急展開にどう対処していいか困惑しているのかもしれない。


もう一つは、今回のようなガサ入れのケースにしては、
検察官・事務官の人数が少なすぎる。

本来であれば100人規模で捜索に入るようなところだが、
今回は2回の捜索でのべ15人だから、いかにも異例である。

佐藤優氏のいう「青年将校のよう」な
一部の検察官が突出してとった行動ではないか、と考えたくなる。

----

さていずれにせよ、今後は検察側もメンツにかけて小沢氏を追及することだろう。
小沢氏および民主党も、もはや後に引くことはできない。

もう民主党も、検察も、ルビコン川を渡ってしまった。


小沢氏がギルティーであると証明されてしまうのか。

それは私が予測できるようなところではないが、
いずれにせよ日本の政治は、この案件に左右されることになってしまった。

-----

この件で私が感銘を受けたのは、民主党の結束である。

小沢をおろそうとか、民主党はもう駄目だとか、
そういった言動、動きがまったく表面化しない。

いまの民主党優位の状況、鉄の結束は、小沢が築いたものである。

民主党はもしかすると小沢と心中することになるかもしれないが、
それもまあ、それでもともとだったと言えるかもしれない。

----

政権交代を望む人々は、さしあたり小沢を信用するしかないのだろう。

一般の人々の政治不信は深刻なものとなるだろうし、
もっとクリーンなイメージのリーダーに
我が国を率いてもらいたいという願望もあろうが、
それはさしあたり今後の宿題とするしかない。

----

小沢はイメージも悪いしスマートでもない。

ただ何よりの美点は「ブレない」ということである。
政策でいったんこう、と決めたら10年たっても20年たってもブレない。

もしその小沢が、この案件でブレたとなれば、
それはまさに小沢の政治的な死を意味するということになるだろう。

それと同時に政権交代もはかない夢と消え、
また自民党政権が続いていくことになる、かもしれない。
もしそうなったらそれはそれとして、諦めるしかなかろう。


自民党政権の終焉を望む者は、嫌も応もなく小沢と共犯である。
それが二大政党制の不毛なところであり、面白いところでもある。

----

人気ブログランキング
クリックによる声援をいつも送っていただき、ありがとうございます。
posted by socialist at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/115128676
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。