2009年03月20日

二世議員・タレント議員考

小泉元首相の息子が、父親の地盤を引き継いで選挙に出る。
ほぼ間違いなく、勝ってしまうことであろう。

これに対しては世襲だという批判も集まっていて、
まあそれは理解できるし、イメージ戦略的にはよろしくないなあとも思う。


あんな何の実績もない人間が親の七光りで選ばれていいのか。
小泉の息子を批判する人はそのように言う。

しかし、まあ、結局は選挙によって選ばれて国会議員になるのだから、
それはそれでいいのではないかと、私は思うのである。


世襲が成り立つというのは、地盤があるからである。
その「地盤」というのは何かというと、強力な後援会組織や支持者組織である。

後援会をつくる多くの人が、小泉ジュニアでいいと思っているということである。
と言うことは、これはつまり民意を受けていると言っていいのではないか。


私自身が小泉ジュニアの選挙区に居住していれば、
彼には絶対に投票しないだろう。

小泉ジュニアが駄目だというのであれば投票行動で示せばいいし、
そういう人が多ければ小泉ジュニアは選挙で落ちるのである。

それでいいのではないか、と私は思うのである。


タレント議員にしてもまったく事情は同じである。

知名度だけで当選していいのかと思ったら、対立候補に票を投じればいい。
タレント議員が受かるのは、彼または彼女が好意や期待を受けているのであって、
批判されるいわれは、私はないと思う。



世襲議員やタレント議員が多いことをもってして、
大衆の政治に対する意識を低いと見て批判する向きもあるが、
私はそのような議論はまったく傲慢であると思う。

誰が政治家にふさわしいかと言うことを、決めることは誰にもできない。
価値観の問題ということになる。

そこで選挙という仕組みが用いられることになるのである。

誰を選べばよくて誰を選んだら駄目だということを、
インテリ(と自分で思っている人々)が決めつけることは馬鹿馬鹿しいのである。



そもそも、どのような経歴を持つ人が政治家としてふさわしいかはわからない。

県議出身、秘書出身、有名企業出身、大学教授出身の議員であるならば
不祥事を起こさないなどと考える人はいないだろう。


逆にタレント議員、世襲議員でも役に立たないとは限らないだろう。

この間大臣になった小渕優子は典型的な世襲議員であり、
初当選のとき「これから勉強させてもらいます」と発言して物議をかもした。

まあそんなことを正直に口に出すのはどうかと思うが、
しかしそれは間違った姿勢ではないと思う。


一年目の新入社員が仕事を十分にこなせないのと同じで、
初当選の議員がそれほど役に立つなどという例は少ない。

党内の勉強会で政策を学んだり、党務をこなしたりして、
徐々に成長していき、重要なポストを任せられるようになるのである。

国民新党糸川正晃のように一年生のうちから八面六臂の活躍をする議員もいるが、
それは稀有な例外であるといえよう。


政治と関係のない経歴であっても議員になってから
立派な政治家へと成長していく例もあれば、その逆もあるのである。


たとえば小渕優子の父親、小渕恵三元首相は、
父親の地盤を受け継いでなんと大学院生でありながら議員に当選した。
タレント議員どころか社会人ですらない、学生議員である。
実績やまともな経歴など本当に何もない状態で議員になったといえる。


ところが彼は長年政治家を続け、ついには首相の座まで手に入れる。
小渕政権は最初は低支持率から出発したが、徐々に支持率を上げ、
さまざまな重要法案を次々に可決させた。

もちろん私としてはイデオロギー的に好むものではないが、
指導力という観点から見れば、近年ではもっとも優れた首相の一人ではなかったかと思う。



たとえば民主党の参議院議員、蓮舫は元キャンペーンガールであり、
まったくのタレント議員としか言いようがない。

ところが議員としての経験を積むうちに(といってもまだ1期目だが)
政治家として成長し、あの長妻昭の要請でネクスト年金副大臣に就任する。

今では長妻などと並んで民主党の論戦のエースである。


橋下徹、東国原英夫は賛否こそあるが多くの支持を得ている。

田中康夫も前職は小説家でありタレント政治家と言っていいだろうが、
今では野党陣営における主力の政治家として活躍する。


上げれば切りがないが、タレント・世襲政治家が一様に駄目ということはない。


小泉純一郎も、世襲政治家である。
もちろん毀誉褒貶あるが一流のリーダーシップを持つ宰相だった。
その息子がどういう政治家になるかはまだわからない。

そのようなことを考えるに、
私はちょっとタレント批判、世襲批判に乗り切れない面があるのである。


民主党は世襲(親と同一の選挙区からの立候補)を禁止すると言う。
党の姿勢としては大変いいことであると思う。

ただ党の内規として決めればいいのであって、
仮にそれを法律にしてしまうとなればちょっとどうかな、と思う。

----

人気ブログランキング
クリックによる声援をいつも送っていただき、ありがとうございます。
posted by socialist at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。