2009年03月26日

「企業献金禁止」に喧嘩師としての小沢の凄みを見る

相変わらず、検察からの捜査情報リークにより
民主党のネガティブイメージを煽るような報道が続く。

完全に、検察が政治的なアクターとして振る舞っているのだが、
いち公務員が積極的に政局に加担してよいものだろうかと憤りを禁じ得ない。

またそもそも捜査情報のマスコミへのリークは違法だし、
それを無批判に受け入れるマスコミの姿勢も問題だと言わざるを得ない。


ただ、それはそれ。
奇麗事はともかくとして、政治は権力闘争である。

検察やマスコミは、それぞれの立場を守るため、
必死に小沢民主党に対して戦いを挑んでいる。

民主党は、正義を唱えるだけでなく、
とにかく敵に対抗し、勝たなければいけない。

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私が一流の政治家と考えている人たちには、
ピンチをチャンスに変える力がある。

あるいはピンチをくぐり抜けてこそ、
権力闘争の荒波に呑まれぬ政治家となるということであろうか。


たとえば菅直人は、年金未納問題で、民主党代表職を辞任に追い込まれた。

これは後に社会保険事務所職員のミスであったことが明らかになるのだが、
それはそれとして、菅および民主党にとっては危機となった。

そこで菅が何をしたかというと、記憶に新しい「四国八十八カ所巡り」であった。
これは尋常ならぬアイディアであり、冷笑する向きも少なくなかった。

しかしこれにより「民主不毛の地」であった四国での民主党の認知度は上がり、
先の参議院選挙では、まさかの、というべきであろう、四国の民主党独占が達成された。


たとえば辻元清美は、秘書給与流用事件で国会議員を辞職に追い込まれた。

これも選挙前の時期に捜査があり、一部の論者は何らかかの意図を疑ったものだが、
それはそれとして、もはや再起は不可能とみなす向きもあった。

その後2004年参議院選挙大阪選挙区において出直しをはかるが、
この時辻元は選挙カーにピンクの字で「ごめん。」と大書し選挙に臨んだ。

普通の発想においてはできぬ、奇抜な選挙カーである。
また有罪判決を受け執行猶予期間中の出馬というのも異例だ。

これに対する反発や批判も決して少なくなかったが、
私が思うに政治家にはこういった「厚顔無恥」な胆力も必要だ。

またこの、率直といえばこの上なく率直なコピーは大阪の有権者をそれなりにとらえた。

この選挙は次点に終わるものの、それは大方の予想を覆す健闘であった。
辻元はさらにその次の衆議院選挙に出馬し、比例復活で見事に当選。
次期選挙では小選挙区での当選が有力視されている。



小沢一郎も、幾多の修羅場をくぐり抜けてきている。
今回は、どうであろうか。

私は先日、この千軍万馬の政治家の凄みを見た。

小沢がぶち上げた「企業献金の全面禁止」である。これは物凄い。

論理はこうだ。
「私はちゃんと報告書を書いているのにあらぬ疑いがかかる。それならば全面禁止しかない」

疑いをかけられたことの反省に基づいているようにも見えるし、
民主党は変わりますとのアピールにもなる。

企業献金禁止はかねてよりの社民党の主張でもあり、
野党共闘の材料にも使える。

そして何より、自民党にとっては
いつもの「パクリ」が決してできない政策公約となるし、

実現すれば自民党の財政を枯渇させることができる。

読売新聞の記事によれば、
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090318-OYT1T00952.htm
>2007年の政治資金収支報告書によると、自民党本部と支部を合わせた献金総額(約224億円)のうち、企業・団体献金は41%(約93億円)を占め、個人献金の25%(約56億円)などを大きく上回っている。全面禁止されれば財政的に大きな打撃を受けることは間違いない

ということである。

民主党とて企業からの献金に一切頼っていないわけではないが、
その依存度は比べ物にならない。

自民党を野党に落とした上で企業献金を絶てば、
自民党を文字通り「殲滅」することも夢ではないといえよう。


もっとも、私自身は必ずしも自民党殲滅を希望しないのだが、
喧嘩師としての小沢の凄みに、とにかく感銘を受けたとは言わざるを得ない。


ただよい政治にはお金がかかるものである。

国民の代表たる政治家の立法活動に対して
投資をしてしすぎるということはないと、私は思う。

例えば良い政策を作る際、官僚機構と対峙する際などには、
政治家の側にも有能なスタッフが多数必要となる。

企業献金を禁止するならするで、代わりの資金源を作らなければならない。
個人献金をしやすくするのはいいことだと思うが、
日本はオバマのアメリカとは違い、
政治家への個人献金の文化がまだまだ根付いているとは言えない。


公費で雇える秘書の人数を増やすか、政党助成金を増額するか・・・

いろいろな案があると思うが、
とにかく、信頼できぬ政治家に税金を投資するのを渋る有権者を説得でき、
なおかつ政治家をエンパワーできる仕組みを、色々と考える必要があろう。


民主党内には色々な意見があろうが、
議論をまとめ、思い切って企業献金禁止に踏み切れば、
それはとてつもなく強力なカードとなるだろう。

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posted by socialist at 05:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
通りすがりですが、マスコミによるネガキャンは民主党によりも自民党にの方が酷いと思うのですが…特にテレビ朝日の報道ステーションとか。。

むしろここまでマスコミが民主党を応援してるのに勝ち切れてないことに憤りを感じます。

個人的な見解としては

自民+検察vs民主+マスコミ

だと思っています
民主党には勝ちきってほしいと思いますが、マスコミの偏向報道が嫌いな自分は迷ってます。。

通りすがり申し訳ないです

これからもブログを拝見させていただきます
Posted by 通りすがり at 2009年03月26日 15:55
コメントありがとうございます。
マスコミの論調の評価は立場によっても異なってくるのでしょう。ただ、少なくとも小沢秘書逮捕の件に関しては検察からのリーク情報が無批判に流されることで、民主党に一方的に不利な報道となっているのではないかと思います。

マスコミの報道に関してはまず自由かつ多様なメディアが参入できるようにすることが先決でしょうね。その意味では記者クラブ撤廃に期待をしております。
Posted by Socialist at 2009年03月29日 06:23
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