2009年02月21日

共産党のデイ・アフター・トゥモロー、それと選挙制度

「ネーダー効果」という言葉がある。

これはアメリカ大統領選挙に毎回出馬している、
ラルフ・ネーダーという人物からとられた言葉である。


皆さんご承知のように、
アメリカの政治は強固な二大政党制であり、
共和党と民主党以外はほとんど影響力を持たない。

従ってラルフ・ネーダーが無所属で大統領選挙に出馬しても、
まったく当選する見込みはない。

ネーダーは当選可能性を度外視で選挙に出ている。
このこと自体は決して責められることではないだろう。

ところが、である。
ネーダーの政治スタンスとしては左派よりで、
どちらかといえば、共和党よりは明らかに民主党に近い。

従って、民主党に入れるはずの中道左派ないし左翼の有権者の票が、
ネーダーと民主党候補の間で分散してしまう。

そうなると、結局のところ
ネーダーが最も嫌いな共和党を助けることになってしまう、
というのが「ネーダー効果」である。

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日本でもまったく同じような構図が発生している。

日本共産党である。


日本共産党にはラルフ・ネーダー以上の勢力があるが、
基本的に、小選挙区で議席を取るだけの力はない。

ところが日本共産党は候補を立てる。
これは実質上、自民党を助けている。

共産党がいなければ、共産党に投票するはずだった有権者が、
民主党に流れる可能性がそれなりにある。

これは「ネーダー効果」と同じ状況であって、
共産党支持層がもっとも嫌いなはずの自民党を間接的にアシストしている。


しかし、簡単に「馬鹿だなあ」と言うなかれ。

公式的な共産党の立場としては、やはり自民も民主も駄目なのである。
自民より民主のほうがマシだろうと思っているのは、
実は、民主党支持者の勝手な議論なのかもしれない。


また、日本の選挙には特殊事情がある。
小選挙区と比例代表が並立していて、同時に投票が行われる。

「共産党の候補が出ているから」選挙に行こうと思った共産党シンパ。
共産党の候補の演説を聞いて、あ、この人いいなと思った無党派。

共産党が出ていなければ棄権したか、他党に流れていたはずの人々だ。

この人たちは、小選挙区で共産党候補の名前を書く。
この候補は落ちてしまい、投票は死票になる。意味がない。

しかし、比例代表の方にも、恐らく「共産党」と書いてくれるはずだ。
これは死票になるとは限らない。
共産党は、衆議院で自身が得る、約9議席のすべてを比例代表で得ている。

要するに、比例代表の票を掘り起こすために、
小選挙区に候補を立てるインセンティブがあるのである。

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しかし、選挙にはお金がかかる。

とくに、「供託金」はでかい。

これは冷やかしで適当な奴がどんどん立候補するのを防ぐための制度で、
あらかじめ選挙管理委員会にお金を預けておき、
あまりにも得票率が少なすぎるとき、それが没収されてしまうというものだ。


共産党としては、もうお金もあまりないので、
供託金が没収されてしまいそうなほど勢力が弱いところには、
もう候補者を立てないことにした。

これで大喜びしたのが民主党陣営で、
危機感を抱いたのが自民党陣営であるから、
今まで明らかに「ネーダー効果」は発生していたのだといえるだろう。

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自民党・公明党は策略を練ってきた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080619/stt0806190046000-n1.htm

供託金が没収されてしまうハードルを下げて、
どんどん共産党に候補を立ててもらって、
左派・リベラル層の票を分散させてしまおうという寸法だ。

あからさまな党利党略だが、戦略としては間違っていない。

もっとも共産党はその手に乗らず、
候補を増やすという方針にはならなかった。

それで、この話は立ち消えとなった。
自民党・公明党の無節操さにはあきれる。

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結局、「自民、民主、共産」の3候補が出るパターンでは、
共産党支持層はよく考えないといけない。

何が何でも共産党に入れるのか、
「自民よりマシ」な民主党に、泣く泣く入れるのか。

仮に民主党に入れたら、そういうのを政治学では「戦略的投票」という。

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しかし、なんで有権者は、一番気に入る政党に入れられないのか。
選挙制度を工夫すれば、もっと心置きなく投票できるのではないか?

たとえばフランスの大統領選挙は少し工夫している。

過半数を取る候補がない場合、上位2名で決選投票を行う。

こうすれば、決選投票にはほとんど確実に、
右派の国民運動連合と、左派のフランス社会党が残るので、
第1回は心置きなく好きな政党に入れることができる。

もっとも2002年の選挙では、
http://ja.wikipedia.org/wiki/2002%E5%B9%B4%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%81%B8%E6%8C%99

このように決選投票にフランス社会党ではなく、
極右政党、国民戦線のルペンが残ってしまっている。

5位以降の「労働者の闘争」、「市民運動」、「緑の党」、
「革命的共産主義者同盟」など、左派が分裂しすぎだ。

そのあたりが少しでもフランス社会党に票を流していれば、
どうみてもルペンには勝っていたはずだ。

この選挙制度も、完璧ではない。

何より日本で、国会の選挙で二回も投票をやる余裕もなかなかなかろう。

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もっと楽そうなのは、
好きな候補順に、優先順位を書いてもらう投票方式だ。

この方式の総称を「選好投票」という。

例えばだが、一番好きな候補から一番嫌いな候補まで、全部書いてもらう。

で、共産党が落ちたとしても、
仮に共産党に入れた人が「1.共産 2.社民 3.民主 4.自民 5.公明」と書いていれば、
それを考慮する。

その考慮の仕方は、いろいろ方式があるがややこしいので省略する。
もちろん、ややこしいこと自体が欠点である。投票も面倒だし。

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さらによいといわれるのが、
アマゾンのレビューなどで、星1つから5つまでの点をつけるように、
候補者に点数をつけてその平均で争う「範囲投票」である。

これなら、基本的には票割れ等々の問題は起こらないし、
民意を比較的正確に反映する。

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私はどちらにしろ比例代表制がよいと思うからなんなのだが、

ともあれ、少なくとも今の小選挙区制度というものは、
必ずしも民意をうまく反映しないんじゃないだろうか。


フランス大統領選挙、選考投票、範囲投票など、
参考にしてみてもよいのではないかとは個人的には思う。

範囲投票は新しすぎるアイデアであり、
公職選挙で採用されたという話はまだ聞かないが・・・

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とはいえ、当分は確実に今のままの選挙制度が続いていくわけで、
共産党支持層はどういう風に振舞うか、思案のしどころである。


共産党支持層にとって、民主党が必ずしも自民党よりいいか、
というと別にそんなことはまったく確かな話ではないのである。

民主党はいうまでもなく、自由主義経済の推進政党であるのだから。


ただ共産党支持層にも、一般党員のレベルでは、
民主党政権に期待する声もあるようである。

ひとつは「自民よりマシ」論であり、
もうひとつは、「次の次」論である。

いったん民主党に政権を作らせ、
その民主党政権をもまた批判する。

「自民も駄目、民主も駄目」ということになれば、
「左からの政権批判」の受け皿は、いよいよ共産党ということになる。

これはなかなか面白い話で、
共産党が伸びるとすればそれが一番現実的なシナリオではないか。

もっともそれは民主党政権が失政をして
厳しい批判に立たされているという状況であって、
私にとってはそれほど愉快な未来図でもないが。

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共産党についてはいろいろ論じてみたいこともあるが、
それはまた別の機会に譲る。

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選挙制度については、
『投票のパラドクス』という本がたいへん面白い。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4791764153/

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高速道路無料化に関し政策論争を望む

高速無料化:効果2.7兆円 民主「試算隠し」批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090220-00000121-mai-pol

 国土交通省が所管の財団法人に発注した高速道路料金引き下げに伴う経済効果の試算業務で、高速道路無料化の効果を「2兆6700億円」と推計する結果が出ていたことが分かった。民主党の馬淵澄夫氏が20日の衆院予算委員会で指摘した。無料化は民主党の看板政策の一つだが、法人が国交省に提出した報告書からは、無料化に関する記述が削除されていた。馬淵氏は「なぜこの結果を表に出さないのか。民主党の政策だからか」と迫ったが、金子一義国交相は「私のところには来ていない」とかわした。【田中成之】

 試算は国交省の国土技術政策総合研究所が07年10月に財団法人「計量計画研究所」に発注。引き下げによる利用増で生じる時間短縮効果や、一般道での事故減少効果などを推計した。報告書は3割引き下げで5200億円、5割引き下げで1兆200億円の効果が生じるとし、政府の経済対策の柱の高速料金引き下げの判断材料の一つとなった。

 馬淵氏は試算業務の関係者から、無料化部分が削除される前の報告書を入手。「無料化の結果を隠ぺいか削除かして表に出さず、3割引き(に相当する引き下げ)を実行しようとしている。無料化を検討すべきだ」と迫り、削除前の報告書公表も要求した。

 麻生太郎首相は「ただにすれば効果が出るのは当然。しかし、(旧)道路公団の借入金の返済を、道路を使わない方々の税金から賄うことになり、問題ではないか。資料(提出)は国交相に検討させる」と答弁した。

 民主党は、検討中の高速道路無料化法案の「重要なデータになる」(中堅)として、政府への提出要求を強めていく。

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たとえばこの高速道路無料化の話にしても、
資料を隠すなんていうことはせず、建設的な議論をすればいいと思う。

道路行政なんてことはまったく門外漢であるので、
ちょっと実際のところはよく分からないが、
これはなかなかよさそうな政策だと思うのだがどうか。


無料化にかかる費用は、1.5兆円。
経済効果が2兆6700億円という試算があるのであれば、
まあ若干得かなという評価になっている。

ただ、無料化となれば
「引き下げによる利用増で生じる時間短縮効果や、一般道での事故減少効果」
以外の効果も見込めるので、経済効果はもっと高いと思う。

ただ、正確なところは私にはわからない。


わかることとしては、
これは皆さんが思う以上に、スケールが大きい話である。
それだけに、リスクもあるだろう。


私なりにメリットを書き出してみる。
・観光や帰省などが楽になる
・ヒト、モノを運ぶスピードがアップ、コストがダウンし、経済効果が発生
・たとえば宅配便や通販の配送料なども安くなるかもしれない(?)
・大型トラックなどが下道を走らなくなるので事故が減少する
・料金所撤廃により出入口をもっと簡素なものにでき、多く作れる
・ETCの設備投資がいらなくなる
・出入口増加により、より多くの沿道の地域が活性化(?)
・地域のネットワーク化に貢献(?)
・料金所撤廃により、渋滞の原因が解消(?)


デメリット、あるいはリスクも考えられる。
・財政支出が増える
・高速料金を税金でまかなうのは車乗らない人に不公平(麻生氏の議論)
・新幹線やフェリー等々の業者に打撃を与える可能性(?)
・高速の利用が増えるため、渋滞が発生(?)
・ストロー現象により衰退する自治体が出る(?)
・せっかくのETC設備が無駄に

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と、このように、賛否両論の面から色々考えられる。
政策論争の素材としては面白いと思うのだ。

私個人は賛成だが、
国会では反対側から色々な意見が出ればいいと思う。

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ただ、自民党側からの反論が、少し寂しいような気がする。

民主党の政策に対して、自民党が必ず言うのは「財源がない」という議論だが、
天下り官僚の退職金とか、道路建設とか、定額給付金とかの費用はあるくせに・・・
という議論になってしまえばやはり苦しい。

「荒唐無稽」と切って捨てたのは金子大臣だが、
自民党や公明党も値下げを言い出しているのだから説得力に欠ける。

麻生氏の言うのは「受益者負担の原則」だが、
経済効果があるとなれば車に乗らない人も得をするのだから、
あまりこだわる必要もないと思われるかどうか。

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そういう議論に終始するよりも、
実際のところ、高速道路が無料になったらどういう影響を及ぼすのか、
ということを議論したり、シミュレーションしたりするほうが有意義だと思う。

私が気になるのは、
とにかく、高速道路無料化で打撃を受ける人はいないかということ。
そういうことを議論すればいいと思うのである。


政権交代したら、高速道路無料化は実現の方向へ動くのだろう。

高速道路無料化に限った話ではない。
いろいろな目新しい政策が、実行に移されることは間違いない。

子ども手当、農家の戸別所得保障、年金制度改革・・・
いずれも魅力的なアイデアだが、穴がないという保障はどこにもない。


その時、自民党公明党にはぜひ色々と研究を行い、
批判して、より精緻なプランに練り直させること、
またあまりにも問題が多いようであれば、
再考を促すことを期待したいと思うのだ。

ただ自民党公明党には、その能力がありやなしや、
ということが懸念になってしょうがないのである。


また、与野党の勢力が均衡していなければ、
政策論争などおざなりにしても構わない。
問答無用、強い方の案が通ってしまう。

後期高齢者医療制度などがそうであった。

今度は民主党の横暴を見ることにならないよう願いたい。

その意味で麻生氏のブレ、中川氏の泥酔等々は、
まったく余分なことであり、残念である。
彼らのせいで、おそらく民主党は勝ちすぎてしまう。

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ちなみに、首都高、阪神高速、
東名高速の御殿場までは無料にならないことを書き添えておく。


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ついでに書いておくが、
政策論争のときは、財源論に拘泥してほしくない。

財源があるとかないとかいう話は不毛なものになりやすいから、
政策論争をする時に財源論に終始するのは、私はどうかと思う。

お金がかかる政策でもほかのことをやめればできるのであるし、
場合によっては、借金してやることも許される(濫発は困るが)。



無駄、無駄、と言われる道路建設だって、
「この道路は要るか要らないか」と言われれば、
そりゃまあ、ないよりはあった方がいいねということになるし、
出そうと思えばそれに予算をつけることもできる。


問題は「何に対して優先的にお金を使うべきか」
及び「いま国の借金を減らすことをどれくらい重視するか」
ということである。

高速無料化なのか、子ども手当なのか、失業対策なのか、農家の所得保障なのか、小学校の耐震化なのか、介護職への支援なのか。
定額給付金なのか、道路建設なのか、地デジ対応テレビへの補助金なのか。
それとも国の借金を減らすことを急ぐべきなのか。

数ある政策の中で何を優先すべきかということである。


だから個別の問題を論じる中では、
「この政策の財源はあるかないか」という議論は不毛になるのだ。

その政策、優先順位が高ければ財源は「『ある』ことになる」。
低ければ、ないことになるのだ。

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社民党のサイト、
財政を扱ったページにはこのような言葉が掲げられているが、名言である。
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/other/070901_column.htm

「財源というものは、ないと言えばない、あると言えばあるものであって、政府の意思によって、あるいは国会の意思によって、財源が生じてきたりなかったりするものである」

社会党きっての財政通であった木村喜八郎参議院議員の言葉だという。

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2009年02月20日

自民党について・その1

郵政選挙を例外として、
自民党の勢力は衰退の一途にある。

そして郵政選挙の一瞬の輝きの後、
野党に落ちるということを一足飛びに越えて、
党の存亡の危機といっても決して過言ではない状況に置かれている。

自民党がここまで崩壊しようとは、さすがに予想外である。
意思決定システムは作動しないし、
野党の政策について建設的な批判をするということもないし、
スキャンダルは噴出しすぎてもはやツッコミきれない。

ウソだと思われるかもしれないが、
ここまでの事態になったことを、私はそれほど喜んではいない。
本当である。

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もしかしたら日本の政権交代というのは、
王朝の交代のようなものになるのかもしれない。
自民が潰れて民主、民主が潰れて■■、■■が潰れて○○、
というように、つねに1つの巨大政党が政権を担う、と。

もちろんそれはまだわからないが、
仮にそうなったとしたら私は困る、と言いたい。

多党制は二大政党制よりいいと書いたばかりだが、
二大政党制でも、少なくとも一党独裁よりはマシだ。


巨大化した民主党が分裂して「民主A」と「民主B」が
二大政党をなすということも可能性として考えられなくはないが、
今のところはおとぎ話に過ぎない。
小選挙区制において、大政党から飛び出すということはきわめて難しい。

新しい政党の出現という可能性もあるが、
それはもちろん自民党の再建よりも道のりが遠かろう。


なので、さしあたっては自民党再建の可能性を考えてみたい。

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しかしその前に、
現状把握という意味で、野中尚人氏の議論を紹介する。

学習院大学の教授で、
著書に『自民党政治の終わり』という名著がある。
この本はおすすめしたい。

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http://www.videonews.com/on-demand/0391391400/000794.php

 野中氏の言う自民党システムとは、族議員が多様な意見をボトムアップで吸い上げ政策に反映させる、高度に民主的な仕組みを含んでいた。また、政務調査会など党内に巨大な政策立案機能を抱え、国会に諮る前に族議員を中心に党内で丁寧な合意形成を行う点も、自民党システムの特徴だった。
 族議員が合意形成や意見集約に機能を果たす一方で、派閥が若い議員の面倒を見るとともに、政治教育の場を提供してきた。そして、派閥の幹部が説得することで党内での合意形成が可能となり、小選挙区制や消費税の導入など困難な法案を成立させることが可能だったと、野中氏は指摘する。また、一見、当選回数による派閥順送り人事のように見えて、実際はポストをめぐる熾烈な競争も裏で繰り広げられていた。
 ところが、小選挙区制の導入によって自民党システムの要だった派閥制度は崩れ、トップダウンの小泉改革で、ボトムアップの根回し型意志決定システムは、完全にその息の根を止められてしまった。冷戦構造が崩れ、日米同盟がもはや自明なものでなくなったことも、高度成長が終わり、自民党システムを使って配分する利益が消えてしまったことも、自民党システムをさらに弱体化させる原因になったと野中氏は指摘する。
 自民党システムが機能するための前提が崩れ、システム自体が崩壊した今、自民党がこの先も長期にわたって政権政党の座にとどまり続けることは困難だろうと、野中氏は予想する。また、もし仮に自民党が政権にとどまることになったとすれば、それは党名は自民党のままでも、実質的な中身は、これまでの自民党とは全く違ったものになっているはずだとも言う。
 しかし、もし仮に野中氏の言うように、自民党システムが機能しなくなっているとしても、それを全否定することには注意が必要だろう。その中には、日本が時間をかけて培ってきた普遍的な資産が含まれている可能性も十分にある。一旦これを失えば、次に政権の座につく勢力は、ゼロからすべてを再構築しなければならなくなる。

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私の意見も加味し簡単にまとめる。

「自民党政治終焉」の構造的な要因
・冷戦の終結→野党に政権を託すことが可能に
・高度経済成長の終焉→利益誘導政治が困難化
・中選挙区制の終焉→政権交代可能な制度に+派閥の弱体化
・派閥の弱体化→人材育成、政策立案、利益誘導システムが弱体化

小泉政権がもたらしたもの
・「小泉改革」→郵政はじめ支持母体の切捨て
・「官邸主導」→自民党のボトムアップ的意思決定システムを破壊
・格差社会の招来→「国民全体」の利益を包括する政党であることを放棄


なお私は、
派閥や族議員など「自民党システム」と呼ばれるものが、
政治の腐敗、税金の無駄遣い、利権の発生などを
もたらしてきたことは無視しようというものではない。

そういった面に対しては批判をおろそかにしてはならない。

そういう負の側面がある一方で、
ともかくも自民党が政権を維持し、
戦後日本を支配する原動力になったことは事実であろう、
と言うまでのことである。

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続きはまた今度。

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思考実験:全刑罰を廃止せよ

私は死刑廃止論者である。

最大の理由は、「殺人がいけない」ことになっているのだから、
国家によって殺人を行うことも、いけないと思うからだ。


すると、あなたはこう反論するかもしれない。

「それでは、懲役刑や罰金刑はどうなるのだ。人を監禁すること、人からお金を奪うこともいけないのではないのか」


私は、こう答える。
「その通りだ。懲役刑も、罰金刑も、やってはいけないことだ。全刑罰は、廃止されるべきだ」


こう反論されることは想定している。
「大それたことを言うな。刑罰を廃止してしまえば、たちまち犯罪だらけになることが目に見えている。すると、『殺人はいけない』とか『泥棒はいけない』という価値観は、実際には踏みにじられることになってしまうではないか」


ここまで来て、ようやく、私は本当に言いたいことが言える。
「わかった。それでは、殺人や泥棒を減らすことができる、犯罪者を立ち直らせることが期待できる、という範囲では、国家による刑罰を認めよう。ところで、死刑はどうだ。罪人を殺すことに、教育効果はありえない。抑止効果も、実際にはさして期待できないというではないか。加えていえば、死というものは不可逆の変化であるし、別のもの、たとえば金銭によって補償することもできはしない。死を刑罰に利用することは、冤罪の可能性がある以上適切ではない」と。

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別の視点からの反論があろう。
「被害者の感情はいったい何とする。たとえば近親者を殺された人物の感情を、犯人の死刑以外によってどうやって慰めるのだ」


しかし、こう考えられないか。
「人間が憎しみという感情を持つことは当然であり、避けられもしない。しかし、それを実行することは戒められなければいけない。殺人への復讐として殺人を行え、などという主張は私怨以外の何物でもなく、国家がそれを代行するに足る根拠は何もない。人間世界では、さまざまな軋轢に満ちており、憎しみが生じることもあるが、しかし、その感情を誰かにそのままぶつけることは、やはり罪となるのである。あなたが私を殴ったからといって、私にあなたを殴る権利が付与されることはない。なぜ、例えば『殺人の被害者に近しい者』の主張のみが特権的に取り上げられ、加害者が殺されなければいけないのか。もちろん近親者を殺された人間の悲しみは察するに余りあり、可能な限りの慰めをすることにやぶさかではないが、復讐の権利を付与することだけはできない。それは結局、『殺人はいけない』という価値観に背を向けることに他ならないのだ」と。

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2009年02月19日

中川騒動においての新聞ジャーナリズムの問題点

しつこいようだが中川大臣のアレについて。
ただ今回は切り口が違う。新聞を批判したい。


まずは毎日新聞のコラムをお読みいただこう。

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酸いも辛いも:ローマの醜態とメディア 玉置和宏
http://mainichi.jp/select/biz/tamaki/news/20090218org00m020001000c.html

日本の報道はどうか。不思議なことに外国メディアがこの奇怪な行動をあからさまに報道しているのに、ほとんど伝えていない日本の大新聞もあったことだ。この新聞にまともなローマ特派員か随行記者がいれば、もちろん書いたであろう。いや送稿してこなければデスクとして催促するのが仕事だ。あってはならないことだが、実際に書いてきたのに本社デスクサイドが自主規制でボツにしたのだろうか。

 だがこの新聞だけを責めるのではない。ほかの新聞の報道も本格的な腰が入っていたかといえば必ずしもそうでもない。その中で身びいきと言われるかもしれないが、この愚行を大新聞の社説で最初に厳しく質したのは毎日新聞だけだった。それを言っちゃお終いよ、と言うなかれ。PRするつもりは一つもない。この世界に45年生きていて大学で「新聞論」を講じている人間から見ると、この差は新聞ジャーナリズム度を測る格好の物差しになると思うからだ。

 TVニュース報道の多くは新聞記者の血と汗を「ただ取りしている」と思うことが少なくない。1行のコメントを取るのに死に物狂いの努力をしている。TVの画面一杯に新聞記事を掲載してバラエテイ風にこれを伝える。なかには自分はほとんど新聞の情報に依存しながら「なぜ新聞はこういうことを書かないのか」などと喚いて視聴率をとろうとするキャスターもいる。新聞人からみれば昔の週刊誌商法にならったTV言論ビジネスの悪しきモデルだといいたいほどだ。

 だが今回に限れば残念ながらTVジャーナリズムの完全勝利だろう。それが理屈ではなくあの「へろへろ大臣」の映像の繰り返しが世論と政治を動かしたのだ。世界の経済危機の課題を協議するG7という重要な会合後に日本の担当大臣が愚弄(ぐろう)されるような報道が世界に発信された。この不名誉な事件から我々新聞ジャーナリストも学ぶべきことは多かった。

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このコラムで言うとおり、
この件では新聞はTVジャーナリズムに敗北した。

率直な反省は評価に値する。

しかしながらこのコラムを載せるとともに
「この愚行を大新聞の社説で最初に厳しく質した」
毎日新聞も、中川大臣の件に関して罪なしとはいえない。
これは後に述べる。

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思えば、たしかに新聞は最初「中川大臣飲酒」とは報じなかった。
「眠気こらえ」「かみ合わない」等々、かばっているとしか思えない表現。

日本の新聞は、海外のメディアが中川問題を報じてから、
後追いの形で「飲酒問題」としてはじめて報じ始めたのである。



「もし万が一病気である場合、それを飲酒扱いしたら大変だから及び腰だったのか?」
と当初の私は考えたのだが、その仮説はすでに棄却されている。

なぜなら、あの泥酔会見直前の昼、
中川氏は財務省の「玉木局長」、女性新聞記者などと会食しているからである。
下のほうに貼り付けた記事を参照されたい。


そして、その会食の直後が、あの泥酔会見である。


その後はご存知のとおり、中川氏の苦しい釈明があった。
初めは「飲んでいない」、その次は「ゴックンはしていない・・・」


しかし結局、中川氏は女性記者らとの会食の場で、
自らワインを注文していて、
それが少なくとも泥酔会見の原因のひとつである。

中川氏はそれを隠していたわけで、
実質的にはウソをついていたと言って差し支えない。

それは最終的に「玉木局長」という
財務官僚が国会に呼びつけられて、そこで口を割ってバレた話。

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私は疑問に思う。
そこにいた女性記者らは何をやっていた、というのか?


「女性記者」が目撃したことをそのまま記事に書けば、
簡単にウソとばれる話であった。

玉木局長が国会へ出かけたりするまでもなかったはずである。

記者たちはなぜ沈黙したのか、まったく分からない。


少なくとも会食の場に、読売新聞の記者はいたわけである。

中川大臣と一緒に記者が酒を飲んでいたのに、
「飲酒」と報じることをしなかった、できなかった新聞社の姿勢を、
私はまったく理解しない。


中川大臣と一緒に記者が酒を飲んでいた件の第一報は、
その場に記者がいなかった、毎日新聞である。

毎日新聞に報道されるまで、
読売その他のメディアは中川大臣と酒を飲んだ事実を黙っていたわけである。

中川大臣をかばったのか自社記者をかばったのか。
ジャーナリズムとしてはいただけない話ではないだろうか?

----

また、その場が記者がいなかったという毎日新聞などにしても、
もっと早く真相を報じることはできたはずである。
少なくとも、海外の報道より遅れる理由はないのだが、
なぜかどこの社も横並びで、海外報道の後追いをした。

これも理解しがたい。

----

少なくともこの件に関して、
新聞のジャーナリズムは死んだも同然だったといっていいと思う。

整理すると、疑問点はこうだ。

1.直接記事の材料にするわけでもないのに、政治家と恒常的に会食するというのは、ジャーナリストが権力者に対峙する姿勢としていかがなものか。

2.なぜ同席していた記者の名、所属する社が明かされないのか。

3.なぜ当初、中川大臣の飲酒について報じられなかったのか。

4.なぜ中川大臣と記者との会食について報じられなかったのか。

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率直に言えば、
中川大臣をかばっていたのではないか、と勘ぐられても仕方がないだろう。
猛省を促したい。

やはり政治家とメディアが癒着することは望ましくないと思う。

----

自民党支持者の方々はもしかすると
これを問題視しないような場合もあるかもしれないが、

いまや政権交代の時代である。


たとえば民主党、社民党、国民新党の政権になり、
そこで大臣がなにか失態を犯したとしよう。

メディアが、なぜかその政権を批判できない、
ということになればやはり自民党支持者も困るはずである。


要するに日本の民主主義という大きなものに関わる問題である。
与党支持者も、野党支持者も、
メディアの公正さという価値を重んじていただきたいと思う。

----

参考。

中川財務相:G7昼食会抜け出し、同行記者とワイン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090218-00000005-mai-pol

中川氏、ワインを自ら注文 G7会見前の昼食
http://www.asahi.com/politics/update/0219/TKY200902190115.html

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小ネタ

あながち、小ネタでもないけど。

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劇場政治。


西川議員秘書 酒気帯び容疑 福岡県警が摘発
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/78083

自民党の西川京子衆院議員(福岡10区)の秘書を務める長男(36)が道交法違反(酒気帯び運転)容疑
で福岡県警に摘発されていたことが18日、分かった。容疑を認めているという。

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いよいよ麻生おろしの動きです。麻生氏はもう無理かな・・・

しかし政権党の政権運営や国会対策の会議に同席するって、
それはジャーナリストのやることと言えるのかなあ。


<自民>森・青木・山崎3氏が意見交換
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090219-00000002-mai-pol

 自民党の森喜朗元首相と青木幹雄前参院議員会長、山崎拓前副総裁は18日夜、
東京都内で会談した。今後の麻生太郎首相の政権運営や国会対策などをめぐり、
意見交換したものとみられる。会談には渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長兼主筆と
氏家斉一郎日本テレビ放送網取締役会議長が同席した。

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2009年02月18日

中川昭一財務大臣・泥酔会見騒動の総括

本ブログで何度か中川大臣の泥酔会見のことを取り上げたわけだが、
取り上げたとたんアクセスが3倍くらいにアップした。

「G7 酒」
「薬のみすぎ 中川 真相」
「中川 本当 風邪薬」

などの検索ワードで、
続々と私のブログにアクセスしてくださる人がいることを見ると、
いかにこの話題が世間の注目を集めているかということがわかる。

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さて中川大臣辞任という形でこの問題も幕を下ろしたわけだが、
結局、私の言うとおりにしとけばよかったのに・・・
という思いを禁じえない。

民主党の逢坂誠二議員のサイトから経緯を引用したい。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~niseko/


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16日夜
麻生総理
「職務に専念してもらいたい」(慰留)
中川財務大臣
「罷免されない限り職務を全うしたい」



== 条件付き辞任 ==
17日午前:
中川大臣が、通院を理由に
衆院予算委員会と参院財務金融委員会を欠席し、
両委員会が中止(極めて異例)

17日昼
中川大臣
「景気を良くする気持ちは非常に強い」
と、予算と関連法案の衆院通過後の
条件付き辞任を表明



== 辞任 ==
17日夜
中川大臣が辞表を提出
「辞めた方が国家のためになると思った。
 首相から慰留の言葉はなかった」

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迷走に次ぐ迷走である。
それにより、マスコミによる「泥酔中川キャンペーン」が
余計に延びてしまっただけの話である。

しかも「ブレる自民党」のイメージがさらに強化されてしまった。

初めから辞任させたらどんなに良かったことか。


わけても、一時「入院」および「予算の衆院通過後の辞任」を
打ち出したのは最悪であった。

この経済危機にあって、
アルコール中毒の大臣が病院で療養しながら仕事ができるわけはない。

また、「予算の衆院通過」といっても、
その予算、大臣がいなければ国会で審議もできない。

そのようなことでは、
辞めろという野党の圧力に抗し切れるわけもなかった。

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おそらく、自民党本来の意思決定プロセスが機能していないのだろう。
また、麻生太郎内閣総理大臣に助言できる、
有能な側近もいないとみえる。


おそらく麻生氏は孤独のなかで決断を強いられ、
結局こんなことになってしまったのだろう。

その麻生氏は何を考えたのか?
私の推測では、こうなる。

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自民党のミッションは「少しでも多い議席の確保」である。

しかし、麻生氏およびその周辺のミッションはそれとは異なる。
「麻生政権の延命」「麻生氏本人のメンツの確保」である。

いま、その両者は矛盾しており、
「自民党VS麻生太郎」の構図となっている。


さて、いま多くの自民党議員はこう考えていることだろう。
「麻生では駄目だから麻生政権をつぶして、新しいトップの元で選挙をやって、少しでも負けを少なくしよう」

麻生氏としては逆に、自民党の行く末などよりも、
麻生政権の延命、あるいは体裁に気を配っている。


中川氏は、麻生氏にとって、唯一無二の盟友といえる。
ここで中川氏を切ってしまったら、
政権は弱体化し、任命責任をも問われることになる。

そして最終的には用済みとばかりにトップの座を下ろされる・・・

その思いが、中川氏を辞任させることをためらわせた。
「あれは風邪薬でした」で逃げ切れる、
あるいは「予算通ってから辞めます、病院で仕事します」で野党、そして国民が許してくれる、
そのような、あまりにも分の悪いギャンブルに走らせてしまった。

結局、それが最悪の結果になってしまったが。

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以前中山国土交通大臣が、
「成田闘争はゴネ得」、「日本は単一民族」。「日本の教育のガンは日教組」
などととんでもない失言をしたが、
あの時は、麻生氏は速やかに中山罷免を決断した。

麻生政権はまだ始まったばかりで麻生氏の政権基盤は安泰だったし、
中山大臣は麻生氏にとって友達でもなんでもなかった。

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後任は与謝野大臣が兼任。

これで、与謝野氏は「財務・金融・経済財政担当」の
3ポストを兼ねることになる。

およそ経済にかかわることほとんどを一手に担う。

与謝野氏はガンを患っているが、体調は大丈夫なのか心配にもなるし、
この100年に1度の危機にあって、
そんな無茶な人事をやっていて大丈夫ですかと言いたくもなる。

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これも、中川氏の後任に、
例えば伊吹文明氏や谷垣禎一氏を入れる方が無難な人事だった。

そうしなかったというのは、
麻生氏が、今から内閣に気心の知れぬ人を入れることを
嫌ったからだと思う。


あくまでも私の見方だが、
今回のドタバタ劇から、まだ総理大臣を辞めたくないんだ、
という麻生氏の思いを見て取ることができたような気がする。

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とはいえ麻生氏はこの件でも失敗続きで、
客観的にはもはや厳しい。

春のうちには新しい自民党総裁が選ばれ、
即刻選挙という感じになってくるかもしれない。

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小沢とヒラリー

小沢氏がヒラリー国務長官と会うか会わないかで多少紆余曲折があった。
私は無理に会わなくてもいいのではないかと思っていたが、

結局、ヒラリー氏の方から小沢氏に日程を合わせてくれたということらしい。
野党支持者としては、
アメリカが今の野党を重視している、ということを喜んでもいいのだろう。

政権につく前から面倒な約束事でもさせられたら嫌だなと思ったが、
会談の内容はたいしたことを言っていないので、まあよかった。


とはいえ、日本も「分担する責任を果たす」とある。
このことに例えば海外に派兵することなどが含まれるのかどうか。

小沢氏は独特の「国連中心主義」という原則を持っている。
この評価について長々と論じるのは別の機会に譲りたいが、
個人的には、少なくとも現与党の思考停止的米国追従に比べればマシであると考えている。

しかしやはり、どうしても海外派兵ということを
認めるわけにはいかないという意見もあろう。

もちろんそれは理解するしシンパシーを感じてもいるが、
自公政権の打倒、政権交代を望むならば、
小沢氏を応援せざるを得ないというのが二大政党制の苦しい現実である。

とはいえ当面のところは民主・社民・国民新の連立政権にならざるを得ないわけで、
たとえば連立政権の中で社民党などが発言力を発揮するチャンスをもつこともあろうし、
それに期待してもいる。

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よくできたまとめをコピーしておく。

200 名前:無党派さん[sage] 投稿日:2009/02/18(水) 13:20:29 ID:wl5nrlAA
【小沢代表会見詳報】(17日夜)

民主党の小沢一郎代表は17日夜、ヒラリー・クリントン米国務長官との
会談で、日米関係について、「何よりも大事であることを最初から唱えてきた
一人だ」と述べたことを明らかにした。都内のホテルで記者団の質問に答えた。
記者会見の詳報は以下の通り。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090218-00000505-san-pol


小沢・ヒラリー会談のまとめ

・日米同盟は何よりも重要な二国間関係である。
・日米同盟は一方が一方に従属する関係ではなく対等な関係であるべきだ。
・現状ではわが国は困難な役割を果たす責任に対する覚悟がない。
・ゆえにわが国が世界戦略を真剣に考え、自らの主張をすることができないでいる。
・北朝鮮は自発的に核のカードを手放すことはない。
・中国は北朝鮮の現状の体制を認めている。
・市場主義と共産主義はお互い相容れず、必ずこの矛盾が表面化する。
・中国の民主化がいかにソフトランディングに行われるかが、日米及び世界にとって最も大きなテーマである。

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【小沢代表会見詳報】「日米関係は何よりも大事」(17日夜)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090218/stt0902180034000-n1.htm

 民主党の小沢一郎代表は17日夜、ヒラリー・クリントン米国務長官との会談で、日米関係について、「何よりも大事であることを最初から唱えてきた一人だ」と述べたことを明らかにした。都内のホテルで記者団の質問に答えた。記者会見の詳報は以下の通り。

【次期衆院選での勝利】

 「えー、今、長官との会談をこのメンバー(小沢氏、鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行、輿石東参院議員会長、山岡賢次国対委員長)で終えたところでございます。詳しくは、中に入ってメモしていた者から、聞いていただきたいと思います。私の方からは、最初に日本を訪問していただいたことに対するお礼と、私の日程に配慮していただいて、このような時間にもかかわらず懇談できましたことを感謝する、ということをお話いたしました。とにかく、次の衆院選に勝利しませんと、もう長官とお会いすることはありませんので、その点は政治家としてご理解をいただきます、ということを申し上げました」

【日米関係】

 「長官の方からは、(来年は)日米同盟の50周年ということで、今までも日米関係、日米同盟が両国にとっても、アジアにとっても、あらゆる意味で大変いい結果を果たしてきたと。これから50年もまた、日米同盟をさらに強固にしていくためにお互いに努力をしましょう、という趣旨の話がありました。私は、今のそのお話には、全面的に同意します、賛成です。それで、最近の私の言動について、米国の友人から、米国内で誤解があるという忠告を受けましたと。しかし、私は日米同盟が何よりも大事であることを最初から唱えてきた一人であります。ただ、同盟というのは、一方が一方に従う従属の関係であってはなりませんと。お互いに主張を交換し、議論し合い、そして、よりよい結論を得ると。そして、得た結論については、お互いにこれをしっかりと守っていくと、そういう関係でなければならないと言った」

【米軍再編問題】

 「(長官は)日米同盟をいろいろな分野で有効に活用していくことが大事だという話をされました。それで、北朝鮮、米軍再編の話もちょっと例に出されました。で、私は、米軍の再編問題につきましては、まず、両国で、本当に同盟国として、世界政策を、世界戦略をきちんと話し合って、その合意を得た上で、個別の問題について対応していくことが大事じゃないかと。今までのわが国政府は、自らの主張をきちんと主張し得ないところに問題があったのではないかと。そして、それはまた日本人が、たとえ困難な役割でも、お互いの中で分担する責任を果たしていく覚悟がなかったからではないか、という話もいたしました」

【北朝鮮、中国問題】

 「私は、北朝鮮は核のカードを手放すとは思えませんと。それからもう一つは、中国問題がより大きな問題であると思います。中国は、朝鮮半島について言えば、北の政権の善し悪しは別にして、現状維持です、と私は思います。まあ、それはそれとして、それ以上に中国そのものの問題の方が大きいと思います。私は、中国の最高首脳部にも面と向かって言ってますから、平気ですけれども、中国の今日の、また、これからの状態を非常に心配しております。まあ若干、トウ小平が、毛沢東の大躍進と文化大革命の失敗を償うために、また、中国の発展のために、市場主義を取り入れたことは大変大きな成果だったと思います。しかし、それは両刃の剣でありまして、市場主義と共産主義とは原理的に相容れない。必ずこの矛盾が表面化するであろうということは、彼らにも私はそう言っております、ということを申し上げ、従って、中国問題というのは、北朝鮮うんぬんということもあるけれども、日米にとって、最大の問題は中国問題であろうと申し上げました。私の主張に対し、長官は、洞察だと思います、という話をしました。いずれにしても、日米中のトライアングルが非常に大事な関係です、ということを言ってました。私は、付け加えて、中国の民主化がソフトランディングをいかにして行うかが、日米にとって、世界にとって、最大のテーマだと申し上げました。それに対して、そういった彼女の話があったということです」

【その他】

 「あとはもう、お疲れでしょうからっつったら、はいっつって、明治神宮から始まって、今日は大変な一日でした、なんて言ってましたね。それじゃまあ、今度、また、長官の方から、そういった話をぜひ継続して今後もやっていきたいということがありましたから、長官とあるいは他の米国の首脳の方とこういった話をまた継続してできるように、選挙勝つように一生懸命、頑張ります、そう言って別れました」

 −−代表の感想を

 「感想なんて、そんなのない」

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2009年02月17日

枝野幸男「道から介護へ」税金の流れを変えよう

国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行さまの記事で見た、
民主党の枝野幸男議員の動画が面白い。


我が意を得たり。
いいことを言っているのでぜひ動画を見てください。


これからは何に対して、お金を使うか。

今までのごとく道路工事やダム工事の予算を増やすよりも、
もっといい事に使ったほうがいいじゃないか。

予算の優先順位を変える。


政権交代後にまずやらないといけないこと、
やるべきことはこれでしょう。

福祉と教育は政府がお金を使っても、
バチはあたらないだろうというのが私の考えです。


「コンクリートからヒトへ」
これは民主党の考えたキャッチコピーですが、
社民党、国民新党も共有できる精神ではないかと思います。



枝野幸男「道から介護へ」税金の流れを変えよう 2009年2月9日


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世界を変えるには

政治の場ではいろいろなことが取り上げられるが、
多くの人にとって、それほど差し迫って重要ではない案件と言うのがある。

地球温暖化、外交、国防、文化政策、
海外の貧困問題、マイノリティの人権、科学技術政策など。

そういう諸問題は、言うまでもなく重要だが、
多くの人は、さしあたり、「どうでもいい」と考える。

一般市民にとってそれらは全部、
重要度が低い「ロー・ポリティクス」である。


しかし言うまでもなく、重要である。
だからそういったものに関心を持つ人は、

いかにしてそれらの政策をいい方向に導くか、
「みんなが真剣に関心を持たない」という制約条件の中で、
考えないといけない。

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たとえば外交・安全保障である。

現代民主主義社会において、それはちっとも、
「ハイ・ポリティクス」扱いされていない。

むしろ、「ローエスト・ポリティクス」と言っても
過言ではないと個人的には思う。

繰り返すがそれが現実である。


外交がどうでもいいとまでは思わないが、
私自身も社会保障etc.のほうにより大きな関心を寄せている。

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たとえば我が国の外交について、
これこれこういうところに問題がある、
これをこういうふうにして、このようにすべきだ、
などと、かまびすしく学生は言う。


確かに問題はあるのかもしれない。


しかしそれはわれわれ国民の責任である。

外交政策において多少デタラメをやっても、
歴代の総理で言っていることがコロコロ変わっても、
国民は基本的に意に介さない。

かといってプロの外交官に委任するわけでもなく、
国民は時に、ナショナリズムや、他国への怒りなど、
感情をむき出しにして外交を阻害する。

まあ、そういうものである。

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それは人々が馬鹿だからではない、と思う。
外交なんぞに対して時間を割いて真面目に考えることは、
ほとんどの人にとって合理的ではないからだ。

投票権は1票しかないし、相手があることだから、
どういう外交が自分のためになるか、わかったものではないのだ。
それならもっと直接的に自分のためになることに時間を割いたほうがいいのだ。

国際政治学徒の中では、その「現実」を見ない人が
「現実主義者」を名乗っていたりするからシュールである。


外交などという案件は、常に「ロー・ポリティクス」、
「重要度:低」の案件として扱われるのが自然であり、それが現実なのである。

その現実を見据えた上で、ではどうするか?
というところまで考えなければいけない。

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そういうカギカッコつきの「どうでもいい」案件に
関心を持つ人々は、当然だがいないというわけではない。

環境問題はビジネスに繋がることが分かり、
人々の関心を引くようになったのでひとまず除外しよう。


人権問題、世界の貧困問題などなど、
重要だが人々の関心を引かない問題は多い。

そういう人々は問題意識を持ち、理想に燃えているが、
多くの人の関心の低さという現実に、必ず直面する。

しかしそのままでは、状況は改善しない。


だから色々なことを考えるわけである。

パレードを行ったり、Tシャツを作ったり、
デモをしてみたり、シンポジウムを開いたり、
歌を作ったり、ビラやポスターを作ったり、
映像を作ったり、フェスティバルを開いたり、

とにかく、いろいろなことをやっている。


外交に関心を持つ人々は、そのような取り組みから、
何かを学んでもよいのではないかと個人的には思う。

もちろん困難もある。
外交などというのは、あまりラディカルなメッセージを出しては困るだろう。
しかし地味なことを主張しても関心を引かない。

しかも、外交にかかわる案件はとても「政治的」であり、
どんなことを言っても反発を生みやすい。

人々の立場も対立する。
「貧困問題」であれば、「貧困削減」自体に強硬に反対するような人は少ないから、
関心さえ持ってもらえれば「わりと勝ち」という側面もある。
外交であればそういうわけには行かない。

難しい。


難しいが、何とか外交にも関心を持ってもらうべきだと思う。
国民の目から離れてプロが勝手に交渉する、というのはもはや不可能だろう。

ならば外交に、国民の冷静な判断力と戦略性を求める、
という訴えをしてもよさそうなものだと個人的には思う。

そのような、国民向けの努力はほとんど行われていないのではないか。

外交にまじめな関心を向けない国民に対して、
怒ったり、馬鹿にしたりしているだけではないか。


仮に、世界の貧困に真剣に取り組まない多くの人々に対して、
怒ったり馬鹿にしているだけの人を見たらどう思うだろうか。
「そんな姿勢じゃあ、意味がないよ」と考えるのが普通だと思う。

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